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文系でも(頑張れば)できる!プロのチャート分析術
数学と自然
自然という偉大な書物は、数学という言葉で書かれている。
【ガリレオ・ガリレイ(物理学者)】
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89…
この数列は『フィボナッチ数列』と呼ばれるもので、自然界と深い関わりがあるとして有名です。
例えば、花の花びらの数…
カラーリリー…1枚
ツユクサ…2枚
エンレイソウ…3枚
サクラ…5枚
コスモス…8枚
マリーゴールド…13枚
マーガレット…21枚
ひまわり…34枚
このように、ほとんどの花の花びらの数は、フィボナッチ数列に従って配列されているのです。
そして、このフィボナッチ数列の2公の比を無限大にとっていくと黄金比に収束することも知られています。
不思議ですね!
さて…『数学の神秘的あるある』はこのくらいにして、本題に入りたいと思います。
当記事の試みは、自然界と深い関わりのある数学を使って、自然界の株式市場を分析することです。
※私の頭は100%文系脳なので、高度な数学知識は持ち合わせておりません。
なので、当記事は私と同じ文系の方に向けて書いています。
それでは、参りましょう!
いい加減なことを言いました…。
なみ、なみ、なみ・・・
計測可能なものは計測し、そうでないものは計測可能にしよう。
【ガリレオ・ガリレイ(物理学者)】
なみ、なみ、なみ・・・
ここに『y=sin x』というよくわからない関数のグラフがあります。
三角関数…きらいですよね!?
私もです!
当記事の内容を理解する上で、三角関数の知識はまったく必要ないので安心して下さい!
このよくわからない関数のグラフに、数学の法則を2つ使って、このグラフによく似た関数のグラフを作ってみたいと思います。
一つ目の法則…
それは微分です。
微分を大雑把に説明すると、
ある関数を微分すると、別の関数を作り出すことができます。
微分によって作られた関数のことを『導関数』と呼びます。
もとの関数をf(x)とすると、
導関数はf´(x)と表現することが多いです。
慣れてしまえば、簡単な微分なら『微分のルール』に則って暗算で計算してしまうことも可能です。
微分のルールは次の通りです。
2つ目の数学の法則です…
それは、三角関数の微分ルールです。
関数『sin x』を微分すると『cos x』になります。
更に…
『cos x』を微分すると、『-sin x』になります。
まとめると次のようになります。
では、これらのアイテムを使って、
『y=sin x』によく似た関数のグラフを作ってみましょう!
社畜ブロガーは厳しい…
テイラー展開
私たちは方程式を書く際、項の次数を次のように並べて書きます。
次数を大きい順に並べることを降べきの順といいます。
※何かを0乗したものは『1』になります。
例:x⁰=1
逆に、次のように、次数を小さい順に並べることを昇べきの順といいます。
では、『sin x』の関数を次のように昇べきの順で展開できると仮定します。
『a₀・a₁・a₂…』といった表現は難しいように見えますが…
『a・b・c…』と同じものだと思って頂いて大丈夫です。
アルファベットで表現すると26文字(いや27文字か…)しか続けることができません。
なので、『a₀・a₁・a₂…』というようにアルファベットに小さい数字を添え字して表現することで、文字の数による制約を受けないようにしているのです。
このような展開法をべき級数展開と呼びます。
グラフを見れば、『a₀x⁰』の値はわかると思います。
『x=0のとき、y座標は0』なので
『a₀x⁰』の値は0になります。
ここから…
べき級数展開した関数『sin x』を微分して導関数を作っていきます。
『y=cos x』のグラフから、『a₁x⁰』の値を求めてみましょう。
『x=0のとき、y座標は1』なので、
『a₁x⁰』の値は1となります。
x⁰=1だから、『a₁=1』と算出されました。
ここまで、『a₀・a₁』の値がわかりました。
関数『sin x』にa₀=0、a₁=1を代入して、ここまでの関数を作ってみます。
『sin x=x』もとい『y=x』のグラフがどれくらい
『y=sin x』に近づいたのか確かめてみます。
まだまだですね…
この手順を繰り返していきます。
『a₂・a₃・a₄…』の値を求めていきます。
a₂=0,a₃=-1/6,a₄=0,a₅=1/120
a₆=0,a₇=-1/5040,…
a₇まで求めてみました。
得られた関数の式は、
さて、どれほど『y=sin x』に近づけることができたのでしょうか!?
順を追って見てみましょう。
おもしろいですね(^^)♪
このように、ある関数に近似した無限次の関数を作りだす手法を、イギリスの数学者ブルック・テイラーの名を冠して
テイラー展開と呼びます。
テイラー展開をチャート分析に応用する。
学び始めたばかりの学生に示すべきなのは、数学には単純だが明らかでないような定理や関係が本当にびっくりするほど多いということだ。…思うに、数学のこの性質は世界の秩序と規則性を何らかの意味で反映しているのである。
【クルト・ゲーデル(数学者)】
それでは、テイラー展開を使って株式等のチャートを近似関数で表してみましょう。
用意するのはパソコン(←文系なので『PC』とは言いません)と、神アプリであるエクセルです。
まずは、調べたい金融商品の過去の値動きを調べ、グラフを作成します。
今回は『ユーロ/ドル』の日足・終値・一月分のデータを調べました。
グラフの線を右クリックして、『近似曲線の追加』をクリックします。
近似曲線のオプションの中に『多項式近似』というのがあるので、これに設定します。
真横に『次数』の設定があり、6次関数まで作ることができるようになっています。
少し下に『グラフに数式を表示する』というチェック項目があるのでチェックします。
グラフに『6次関数の近似曲線』と『関数の数式』が表示されました。
でも…お世辞にも近似してるとは言えませんね。
なので・・・
サンプルの数を9日間に絞ってみました!
かなり"近似"してきましたよね!?
グラフに表示されている数式を、エクセル用の表記に打ち換えます。
『yは削除』『×(かける)→*』
『x(エックス)→適当なセル番号(今回はB14)』
『指数→^』…にそれぞれ手直しします。
それでは近似関数の威力を確かめたいと思います!
9日間のデータから、近似関数は翌日の終値をどこまで正確に予測してくれるのでしょうか!?
黄色く色がついている所が予測値です。
なんでやー!!(´゚д゚`)
私の予定では、そこそこニアピンでドヤ顔で終われることを期待していたのですが…💦
ここまで記事書いていて、まさかの使えないという落ち…
どうやらこの近似関数で予測する方法…
超短期売買手法であるスキャルピング専用で、2.3分先程度ならそこそこ当てることができるみたいです。
怪しい臭いがしますね…
そういうトレードをやっていて、LTCMみたいな会社がたくさん破綻していったんですよね…。
投資家としての成功に微積分や代数が必要なら、私は新聞配達の仕事に戻るしかないだろう。
【ウォーレン・バフェット(伝説の投資家)】
数学って、いったい何処で使うんでしょうね…?
残念ながら長期投資家の私にはこの手法は使えなさそうです。
短期トレードが好きな方は、この手法を研究して、勝利の法則を探してみてはいかがでしょうか!?
以上です。
投資家の皆様の健闘を祈ります!
(`・ω・´)ゞ
※投資は完全自己責任でやりましょう!
参考書籍