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文系でもできる!プロの将来株価予測術
リターンを最大化させるために…
私は自分のミスを説明できるようになりたい。成功と失敗を両方説明できるということは、自分の行動を100%理解している証だからだ。
【ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイ)】
この美しくも大胆な方程式は何を意味しているのでしょうか?
これを考えたのは『ケリーの公式』で知られる数学者ジョン・L・ケリーです。
ケリーの公式?
って思った方も多いと思いますので、まずはケリーの公式について少しだけ紹介しておきます。
※でも、ケリーの公式は、投資ではそれほど重要ではないので…眺める程度で大丈夫です。
『ケリーの公式』は、確率とリターンがわかるギャンブルにおいて、手持ち資金の何%を賭けるのが最適か?を求めるための公式です。
例えば、55%の確率で表が出るコインをはじいて、表が出れば賭け金が倍になるゲームがあったとすると…
このゲームでは、手持ち資金の10%を賭ければ、リターンを最大化できるというわけです。
驚くことに、この公式から導かれた賭け金率を上回っても、そして下回ってもリターンは低下してしまうことから、ケリー基準は
勇敢と無謀の境界線と呼ばれています。
では、そんなスゴイ発明をした数学者が遺した方程式は何を意味するのでしょうか?
改めて冒頭の方程式を見てみましょう。
この方程式は、
『G=所持金の増加率』を『max=最大化』させることで
『R=リターン』が最大化されることを表しています。
ジョン・ケリーは、『手持ち資金』に対する『投入資金』の"比率"を最適化させることで、ギャンブルから得られるリターンを最大化させようと考えました。
『G』を『所持金の増加率』→『資本収益率』に変えれば、この方程式を株式投資にそのまま応用することができます。
では、大した数学知識を持ち合わせていない私のような文系投資家が、株式投資で資本収益率を最大化させるためには、どうすればいいのでしょうか?
ここからは、その方法について紹介していきます。
将来の株価を予想する方法
ふつうビジネスの世界では、透明度が高いのはフロントガラスよりもバックミラーのほうである。
【ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイ)】
将来の株価を予想する前に、まずは現在の株価の適正価格を算出します。
一株益(EPS)を長期国債利回りで割った値のことを、多くの証券アナリストたちはその株式の本質価値と呼んでいます。
この計算式を使って、アメリカの主要株価指数である『S&P500』の本質価値を調べてみます。
『S&P500』のEPSは現在(2022.2.14)175.8ptでした。
※EPS=株価÷PER
米国30年債の利回りは約2.3%ですが、この数値は過去と比較して異常に低い数値であるため、利回りを4.0%とします。
【EPS÷長期国債利回り=本質価値】
175.8÷0.04=4395
S&P500の本質価値は4395ptと算出されました。
ここから、本題の『将来の株価予想』をしていきます。
下準備として『S&P500』の過去10年間のEPS推移を調べておきます。
10年前108.69ptだった『S&P500』のEPSは、現在175.8ptへと成長しています。
EPS成長率は
{(175.8÷108.69)^1/10}-1で求められ、
これは1.62倍の10乗根だから…
指数法則
同じ数をいくつかかけ合わせたものを累乗といい、
右上につく小さい数字を指数といいます。
『指数』と聞いて興奮しない投資家は私以外にはいないと信じています。
そんな投資家の大好きな『指数』の計算をする場合、
私たちは、数学者が決めたルールである
指数法則に従わなければいけません。
ちなみに、2のべき乗数列は次のようになります。
『S&P500』のEPSは、過去10年間で1.62倍に成長しました。
指数法則に従って、『S&P500』のEPS成長率を算出してみます。
指数が分数である場合は、ルートに変換することができます。
※これも指数法則です…
ここまで計算できたら、お手持ちのiPhoneの電卓アプリを開いて画面を横に傾けましょう。
※iPhoneでない方は『関数電卓アプリ』取るか『Excel』で頑張りましょう。
⇧iPhone電卓画面
1.62と入力した後、画像のボタンを押し、今回は『10』と入力します。
すると、1.049425...と計算されるので、これから1を引いて100をかけると、
『S&P500』の過去10年間のEPS成長率は年平均4.9%であることがわかりました。
10年後の株価を予想する
では、この成長率が今後10年間継続すると考えて、10年後の株価を予想してみます。
4395×(1+0.049)^10=7091
10年後の『S&P500』予想株価は7091ptと算出されました。
(2022.2.14)現在、『S&P500』は4400pt付近で推移しています。
想定される利回りは
{(7091÷4400)^1/10}‐1=4.89%です。
そしてこの4.89%の利回りと比較して、より好条件の投資先を物色していくのです。
『伝説的投資家』ウォーレン・バフェットはこんなことを言ってます。
取引をするときには、必ずその時点で可能な次善の取引と比較することにしている。その分、よけいに手間はかかるがね。
経済学者は、このような方法を『近視眼的』だと言いますが…
今見通しが悪い会社の株式に投資して奇跡が起こるのを祈るよりも、
今見通しが良い会社の株式をまずまずのリターンが得られる価格で買う方が、きっと正しい投資法なのだと私は信じてます。
・・・え?
配当金の利回りを計算に入れてない?
今回予想したのは"将来の株価"ですから、配当金のことは考えてなかったです💧
将来受け取る配当金額を計算する式はググれば出てくると思いますが…
頭の良い人が作った計算式に数字を当てはめるだけでは、つまらないですよね!
たまには、自分で方程式を作ってみるのはどうでしょうか?
たとえば、こんな感じで…
やばい…超COOLじゃん!(>_<)
以上です。
投資家の皆様の健闘を祈ります!
(`・ω・´)ゞ
※投資は自己責任で行って下さい。
参考書籍
東大の先生! 文系の私に超わかりやすく高校の数学を教えてください!