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50代・転職・未経験のリアルが辛すぎる件!
私の職場に入社してきた50代の新入社員
昨今の売り手市場の影響もあって、私の職場にも中途採用者が入る割合が増えてきました。
私の職場は、日本の他の職場に比べて業務内容も少なく、社員たちも比較的温厚で、それほど他人に対して厳しくない人が揃っていると思います。
そんな私の部署に、50代の方が新しく5人入ってきたんですけど…
既に3人が怒って会社を辞めてしまったんですね💦
他部署から異動してきたものの、45日で会社を辞めていったTさんは言いました。
「ワシはこの会社でこれまで、人間として扱われたことは無かった。」
一体彼らになにがあったのでしょうか?
当記事では、能力主義・競争社会の日本で、50代が新しい集団に属していくことの難しさを見ていきたいと思います。
温厚なはずの人たちの豹変
私の部署に50代の方が新しく入ってくるようになったのは、大体3年前からになります。
最初のうちは『35歳以下』という入社条件があったのですが、全然入ってきてくれないので『年齢不問』に条件を緩和したのがきっかけです。
私の職場はコミュ力が大切で…(ダラダラ喋らないと時間が余って仕方ないので)
自分たちよりも年上の後輩にどう接すればよいのか?私たちにはわかりませんでした。
ただ、確実にわかっていたことが…
50代で入社したら定年まで10年そこそこしかいないので、とにかく早く仕事を覚えてもらって、一人前になってもらわないと困るということでした。
これは多分どこの会社でも当たり前のことだと思うんですけど…
この『早く仕事を覚えてもらわなければ困る』から『厳しくしないといけない』になり『できないなら出て行ってもらおう』という考え方が正当化されてしまったんですね。
53歳の上司Iさん:「コレが終わったらアレもやってもらわないといけないんだから、もっと早く動いてもらえますか!?💢」
56歳の新人Gさん:「今でも精一杯早く動いているのに、これ以上早くなんて動けんわ~。」
それを見て私は「猫ミームだ!」って、思いました。
これが『50代・転職・未経験』のリアルです…辛すぎです。
100人同時に走ったら…
能力の高いKさん:「あの人って本当に仕事できないよね?」
能力の高いNさん:「この仕事なんて、僕でもできているのに。」
私:「それはKさんとNさんが普通の人よりも能力が高いだけですよ!w
普通の人はあんな感じになりますから。」
こんな会話を最近して、KさんもNさんも嬉しそうにしていたんですが…
能力が高い人って、自分が普通よりも能力が高いことに気づかないんですよね💦
だから能力の高い人は、自分にできて人ができないことを見つけると、『努力が足りないからだ!』って決めつけてしまいます。
人間には『頭の良い遺伝子(BDNF遺伝子)』とか『運動ができる遺伝子(ACTN3遺伝子)』とかがあって、「黒人はなぜ足が速いのかって?それは黒人だからだよ!」という話なんですよね。
そりゃ100人走れば1位の人も100位の人も必ず生まれますよ。
100位の人に「なんでできないんだー!💢」って言って厳しく指導すれば100位の人は頑張って95位に順位を上げますが、その代わり99位だった人が100位に落ちます。
そしてまた100位の人に「なんでできないんだー!💢」て指導すると、100位の人が95位になって99位の人が100位になります。
これ、意味ありますか?w
能力の高い人は、『自分が普通の人よりも能力が高い』ということを理解して、自分よりも能力の低い人の分も頑張ってあげましょうよ。
増える50代の自殺者数
下の資料は、厚生労働省が公表している『年齢階級別自殺者数の推移』から、コロナ危機以降の自殺者の推移をまとめたものです。
このグラフをパッと見ただけで、50代の自殺者数だけが異常に増えていることがわかると思います。
(人口の減少している10代の自殺者が増え続けている方がヤバくね!?という指摘もあるかと思いますが…)
50代なんてただでさえ会社の早期退職を迫られている状況なのに、転職してもこんな扱いされてたら、そりゃ死にたくもなりますよ。
世の中『"老害"だから50代いじめてもいいよね』という風潮が実際問題としてあると思います。
男性に関しては『おじさんキモイからいじめてもいいよね』という風潮も重なって、もう地獄だと思いますよ💦
私がもし現代の50代だったら…怖すぎて引きこもるしかできないと思います💦
『弱者男性』なんて言葉も生まれてますし…もう50代をいじめるのやめませんか!?
仕事ができない人を追い出し続けた職場の末路
物理の本をパラパラと読んでいると、
『K=1/2mv²(運動エネルギー)』とか
『x=1/2at²(等加速度直線運動の移動距離)』という、よく似通った公式が出てきます。
『運動エネルギーは物体の質量と移動速度に比例して大きくなるよ』ってことですが、これは仕事にも成り立つ公式だと思って、こんな式を考えてみました。
仕事力(Work)は、
能力値(Ability)の半分に
費やした時間(time)の二乗を掛け合わせたものに比例する。
つまり、能力が低くてもそれなりの時間をかければ、誰でもそこそこはできるようになりますよという意味です。
もちろん、運動エネルギーの拡大も無限ではないように、仕事力の伸びも無限ではありません。
仕事に対する感情が、
『よくわからない→楽しい→好き→まぁまぁ→普通→別に』
という風に移り変わっていくように、『普通』くらいになったら、もうそれ以上は成長しないんじゃないかと思います。
我ながらこの考え方は好きだな~って思っているんですけど、
今職場で優位な立場に立てているあなたも、ひょっとすると、あなたの能力が高いわけではなく、ただ時間をかけたから仕事ができるようになっただけの可能性もあります。
能力の低い人を辞めさせ続けていると、いつしか、あなたよりも能力の高い人がやってきて、あなたの立場が奪われてしまうかもしれません。
私の職場は、人を辞めさせ過ぎて遂に新しい人が入ってこなくなりました。
毎日残業続きで、さすがにみんな疲れ切っています。
たぶん、そのうち潰れます。
このまま弱者を切り捨てる能力主義を続けていると、ただでさえ沈みかけている日本の経済を、より一層衰退させてしまうのは確実です!
あなたが社会で評価されているのは、あなたより能力の低い大勢の人がいてくれるからに他ありません。
あなたが職場で、居心地のいい状態であるならば、それは現時点で、あなたのポジションを奪いかねない優秀な人が現れていないという幸運に恵まれているからです。
仕事のできない人をいじめるのではなく、
その人のことを認めてあげて、
いいところを見つけて伸ばす努力をして、
その人がいてくれることに感謝するようにしてみましょう!
この記事の内容について、一人でも多く議論して頂けたならうれしい限りです。