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どうしても投資で勝ちたいなら、チャーリー・マンガーの投資術を真似しろ!
シエラザードの数
数字にはシエラザードの数という法則があります。
これは、『昔、アラビアの国に住むシエラザードという女性が、1001日という時間をかけて、その国の王様を苦しみから解き放った』という伝説が起源の不思議な法則です。
この話は、日本では『千夜一夜物語』として知られています。
3桁の好きな数字を繰り返して6桁の数字を作ります。
これを『1001』で割ると、なんと元の3桁の好きな数字に戻ってしまうのです。
私たち投資家の行動にも、『シエラザードの数』にも負けないくらい不思議な法則があることが知られています。
ほとんどの投資家は、どう考えても理にかなっていないことを『正しい』と思い込んで行動してしまうのです。
ビジネスの世界では、物事を分析する能力が優れていて、勤勉であっても、当たり前の良識を持ち合わせていなければ何の役にも立たない。
【チャーリー・マンガー(天才投資家)】
チャーリー・マンガーは、私たち投資家に見られるこのような法則を分析し、『間違っていること』をすべて取り除いたシンプルかつ大胆な投資術を作り上げました。
後に、ウォーレン・バフェットに多大な影響を与えたこの投資術はフォーカス投資と呼ばれるようになります。
フォーカス投資は決して難しい投資ではありません。
その証拠に、この投資法のルールはたった2つしか存在しないのです!
当記事では、このたった2つのルールについて解説します。
『平凡』から抜け出し、上位2割の勝ち組投資家になりましょう!
ルール①…難しいことをやらない!
興味深いのは、資産管理において多くの人が100銘柄の株式に投資することが4~5銘柄に投資するよりプロのやり方だと考えていることだ。これは狂気、完全な狂気だ。
【チャーリー・マンガー(天才投資家)】
技術が進歩し、世の中のシステムがどんどん複雑になっていく現代という時代を生きているうちに...いつしか私たちは「成功するためには、難しいことをやらなければいけない」と考えるようになりました。
これは株式投資でも同じで、ほとんどの人が『簡単な集中投資』よりも、『複雑かつ高度な技術を必要とする分散投資』の方が成功する可能性が高いと考えているのです。
ある凄腕投資家は、相関係数をずらした450以上の銘柄を選び出し、コンピューターを使って過去数十年のリターンをシミュレーションしたうえで、最先端のAIと頭脳明晰なメンバーとともに『市場平均を上回るリターン』に挑戦しました。
確かに、この投資法のリターンは市場平均を少しだけ上回ることに成功していますが…そこまで徹底的にやっても分散投資のリターンというのはその程度なのが現実です。
100見つけるより5つ見つける方がはるかに容易だ。私は自分がよく知り、得意としている2~3銘柄を保有する方がはるかに心地よい。
【チャーリー・マンガー(天才投資家)】
では、『天才投資家』と呼ばれるチャーリー・マンガーのポートフォリオを見てみましょう。
【finbox.com参照】
たった5社…これが天才のポートフォリオです。
『S&P500』は長期的スパンで見れば、概ね毎年7%程度ずつ成長していると言われています。
つまり、年間成長率7%を長期的に上回る可能性の高い銘柄を何社か見つけ出すことができれば、市場平均を上回ることができるでしょう。
企業の利益成長率は過去の業績を見れば概ね見当が付きます。
しかし問題は、その成長が今後も長期的に持続可能か?ということです。
チャーリー・マンガーは自分の専門分野だけに候補銘柄を絞り込むことで、この問題を克服しました。
自分がその会社や業界について詳しく知っているのであれば、未来を予測する難易度は下がります。
チャーリー・マンガーは言います。
大多数の人にとって優れた戦略は、専門分野をもつことだろう。誰も肛門科と歯科医を兼ねている医者にかかりたくはないだろう?通常の成功法は狭い分野を専門にすることだ。
ルール②…容易に勝てるタイミングを座して待て!
忍耐強く、その日が来るのを待たなければならない。待つことにはお金がかからないのだから。でも、一日中何もせず座っていることは人間の本質に反する。いろいろとすることがあるほうが楽だ。何もせず5年も待ち続けることを想像してみてほしい。自分が無力で、何の役にも立たない存在に思えてくるはずだ。だからこそ、人は愚かなことをしてしまうのだ。
【チャーリー・マンガー(天才投資家)】
多くの投資家は、株が下がっているときには動くことさえできないのに、株価がどんどん上昇しているタイミングでは積極的に買おうとします。
これは、お世辞にも理にかなった行動とは言えません。
たとえ買った株が優良企業の株であっても、高過ぎる価格で買ってしまっては、大したリターンは期待できないことでしょう。
つまり、私たち投資家の大多数が、難しい分散投資を、勝つのが難しいタイミングで実行しているというわけです。
本当に…私たちは難しいことをするのが好きなようです。
勝ち目があるときだけ行動すること。あなたはオッズを理解し、自分に勝算があるときだけ賭けるという規律を守らなければならない。
【チャーリー・マンガー(天才投資家)】
ルールは簡単です。
まず、『周りの投資家が、配当利回り何%なら高配当だと考えているか?』調べます。
※『高配当株を買う』という行為も、投資家の不思議な行動の一つです。企業の稼ぎを分配したら、そこに税金がかかるのだから、『自社株買い』か『借金の返済』に回してくれた方が投資家も会社も儲かるはずなのですが…。
現在なら3%以上もあれば『高配当銘柄』と言えるのではないでしょうか?
注目している企業の一株益(EPS)に90%をかけたものを『みんなが高配当と言っている配当率』で割ってみましょう。
あとは、そうして導き出した株価と比較して、十分に安くなるのを待つのです。
これはとても簡略化されたモデルですが、これをやった投資家とやらなかった投資家では、投資成績に雲泥の差が開くと私は考えています。
人気株がどんどん上昇しているのを見ていると、買えなかった自分を臆病者だと責めてしまいますが…「臆病者で良かった」と思う時がきっと来るでしょう。
チャーリー・マンガーは言います。
バークシャー・ハザウェイの経営方針はかなり保守的である。…そんなやり方は間違っているとか、もっと稼げるのにもったいないという人がいるかもしれないが、全然気にならない。多少のチャンスを逃しても後悔はしない。誰かが自分より金持ちになったからといって、何が問題なのだろう。そんなことを気にするのは馬鹿げている。
最高のポートフォリオの作り方
信頼できる相手とだけ付き合って、それ以外の人間はすべて追い払ってしまえば、とても快適になる。賢い人間は害虫みたいなやつらからは距離を置くものだ。そういう連中は大勢いるがね。
【チャーリー・マンガー(天才投資家)】
『人間がつくりあげた物の90%はガラクタである』というのは有名なスタージョンの法則です。
この法則は『人生を通して付き合う人』や『投資する会社』『目にする情報』といったものに対しても例外なく当てはまります。
では、投資する会社が『信頼できる会社』かどうかを、どのようにして見極めればいいのでしょうか?
こんな方法があります。
日経平均株価を構成する225銘柄の中から、83銘柄を適当に選んで調べ、その中で1番良かった会社を最低基準として投資先を絞り込んでいくのです。
この方法は『スイスの知の巨人』ロルフ・ドベリが著書『Think clearly』で紹介している方法で、
サンプルの全体をネピアの定数(e=2.718)で割って出た数のサンプルを調べ、その中で最良のものを基準にすれば、高い確率で平均よりも良いものを選ぶことができるという法則です。
この手順で1社選び出せたなら、次からは『その1社よりも優れた会社である』という条件で投資先を絞り込んでいきます。
こうすることで、私たちのポートフォリオはどんどん洗練されたものになっていくでしょう。
チャーリー・マンガーは言います。
新たな投資候補が、すでにあるものに比べてよくない場合、それはあなたの基準を満たしていない。これで、あなたの目に入ってくるものの99%は候補から落ちるだろう。
どうでしょうか?
『弱気相場中に集中投資する』というチャーリー・マンガーの投資スタイルは、やや直感に反しているように思えたのではないでしょうか?
しかし、私たちの直感に反したこの投資スタイルを確立したからこそ、チャーリー・マンガーは巨万の富を築くことができたのです。
おそらく…この投資術を理解したとしても、ほとんどの人は自分の投資スタイルをマンガー流に変えることはないでしょう。
「失敗して、投資した会社が潰れたら大損じゃないか!」
生きていると、悲観的に物事を考えることが増えますよね…。
でも、そんなに悲観的にならなくても大丈夫だと思います。
フランスの思想家、モンテーニュはこんな言葉を遺しています。
私の生涯は災いに満ちていると思われた。しかし、実際にはほとんど災いは起こらなかった。
『フォーカス投資家』になりませんか?
以上です。
投資家の皆様の健闘を祈ります!
(`・ω・´)ゞ
※投資は完全自己責任でやりましょう!
まとめ
●勤勉で優れた分析力を持っていても、当たり前の良識を持ち合わせていなければ何の役にも立たない。
●優良企業を100社見つけるよりも4~5社見つける方がはるかに容易である。
●破格の値段で株を買えば、素人でも容易に儲けることができる。
●ポートフォリオの中で一番優れた企業を基準に考えることで、投資候補の99%を除外することができる。
●投資先の倒産を心配して、投資先を分散させるのは、建設的とはとても言えない。私はこれまで最悪のケースをたくさん想定してきたが、その多くは実際には起こらなかった。
参考
https://www.financialpointer.com/jp/
Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法