CONTENTS
米ドルのショートを開始する。ミクサの投資戦略Part②
今回も…たぶん同じ。
投資におけるもっともお金のかかる4語は『This time is different.(今回は違う)』だ。
【スコット・マイナード(グッゲンハイム・パートナーズCIO)】
当ブログ最高管理責任者のミクサは、米ドルの対円でのショートポジションを取り始めたことを明かした。
彼は、米ドルが近い将来、大きく下落すると予想してきたが、予想とは裏腹に米ドルはスルスルと上昇し、まさかの1ドル130円に達してしまった。
幸いにも、彼は発言通りのポジションを取っていなかったため、特に損失を垂れ流したわけではなかった。
ここにきてポジションを持ち始めたということは、そろそろ暴落が近いと考えているのだろうか?
至極当然に思えることをやった。実質マイナス金利の通貨(米ドル)を売り、マイナス幅がマシな通貨(日本円)を買った。インフレ率と金利と経済成長率が高い国の通貨が強くなるというのなら、最強通貨はトルコリラになっているはずだ。でも、そうなってない。その逆だ。
【ミクサ(当ブログ最高管理責任者)】
トルコ経済は目覚ましい成長を続けている。
2010年から現在までの12年間、トルコの実質GDPは約2倍に、物価変動の影響を含めた名目GDPなら、なんと10倍という劇的な成長を遂げている。
名目GDPの成長率は年平均21.1%だ。
さらにこの国の銀行はとてもサービス精神が強く、貯金しているだけで年間14%も利息を払ってくれるのだ。
「そんなスゴイ国の通貨に投資したいんだけど…トルコリラってやっぱりお高いんでしょ?」
いや、そんなことはない。
何とその間、トルコリラは対円で85%、対米ドルで90%下落しているのだ。
金利と経済成長率だけを見れば素晴らしい数字が並んでいるが、見落としている情報がある。
消費者物価指数(CPI)の数値だ。
トルコのCPIは2010年以降、約5倍に跳ね上がった。
これは、この間のトルコの物価が年平均14.4%上昇していることを意味している。
これがトルコリラ下落の主要因と考えて差し支えないだろう。
物価上昇率が通貨の下落に繋がるなら、米ドルにも同じことが当てはまるのではないか?
簡単な計算をしてみよう。
米国の消費者物価指数はこの12年間で33%上昇しており、対する日本の上昇率はわずか6%だ。
12年前のドル/円の為替レートが正しいと信じるなら、現在の米ドルの想定価値は次のように算出することができる。
米ドルの想定価値は1ドル72円と算出された。
この数字が正しいかどうかは定かではないが、ミクサは次の弱気相場時に、この水準に近いところまで円高が進むのではないか?と考えているようだ。
過度の米ドル高は、やがて米国企業の収益を蝕み始めるだろう。しかし、米国は既に高いインフレ率に悩まされている。企業利益を守るためにドルを切り下げてしまうと、今度は通貨安がインフレ圧力を強めてしまう…。米国のインフレが自然に収束することを祈っている。
【ミクサ(にわかファンダメンタリスト)】
…切にそう願っております。
ミクサのポートフォリオ
ミクサのポートフォリオを見てみよう。
この一月の取引は、
『伊藤忠商事』買い増し。
『スクエニHD』買い増し。
そして、FXでのドル/円ショートだ。
ドルに関しては、更に円安が加速することを想定、1ドル135円、140円、150円の付近でそれぞれポジションを積み上げていく予定だという。
ポジションを解除するタイミングは『FRBが量的緩和を再開したとき』または『日本のインフレ率が長期的に米国を上回りそうなとき』だとした。
マイナス・スワップであることに関しては、「できる限り見ないようにし、メンタルの維持に努める」とした。
次に、平均取得単価と現在の株価だ。
理論通りには株価は動いてくれないようだ…。
データ至上主義
前回と同様に『群衆の英知』を調べてみよう。
・・・と思ったのだが、我々が参考にしていたブロガーの記事更新が途絶えてしまっているため、これは指標として成り立たないのではないかと思っている。
これは仕方のないことだろう。
投資系のブロガーは、調子が悪くなると更新するのが辛くなる…
ミクサ自身も、投資成績が良くないことから、投資ブログをやめようかと何度も悩んだそうだ。
代わりに、今回はミクサが注目している2人の投資家ブロガーを紹介することにする。
一人目は、中国株投資家のきゃつきゃつ氏だ。
きゃつきゃつ氏は国内の投資家としては珍しい中国株オンリーの投資家だ。
ポートフォリオの資産比率は公開されていないため、本人に確認したところ、
株式(95%):現金(5%)だという回答を頂けた。
きゃつきゃつ氏にとっては、現在の株価はまだまだ割安であるとの認識なのだろう。
2人目は、米国株投資家の架空の猫氏だ。
架空の猫氏は米国のハイテク株に資産の80%以上を投資するという、まさにハイテク信者だ。
資産比率は記事にわかりやすく公開されている。
現在の資産配分は、
株式(95%):現金(5%)だという。
我々が驚いたのは、ポートフォリオの84%を『VGT』の1銘柄が占めているということである。
並みの精神ではできないことだろう。
2人とも、自身の信念がポートフォリオに反映されているのが非常に面白い。
近年、信者を急速に増やしている宗教に
データ至上主義というものがある。
データ至上主義は、生き物はすべてアルゴリズムであり、データ処理可能であるとする。
近い将来、これらアルゴリズムを管理するシステムが完成し、システムのアルゴリズムが、すべての生き物を管理するようになるという。
コンピュータ科学の分野で最先端を走っているのが米国そして中国だ。
しかし、この2国の方向性は正反対だ。
米国は国内の巨大IT企業の影響力拡大を容認しているのに対し、
中国は『格差是正』を掲げ、大企業の成長にブレーキをかけている。
共産党にとっては、党以外の団体やシステムが影響力を強めるような事態は避けたいのだろう。
大企業が成長を牽引するアメリカか?
国全体の強靭化を狙う中国か?
85歳まで働らくことができる日本か?
後悔の無い投資を心がけたいところである。
※投資は完全自己責任のもと行おう!
参考
The Financial Pointer – World Economy and Financial Markets
ホモ・デウス 上 テクノロジーとサピエンスの未来 ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来
ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来 ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来