米国株信者になるな!ミクサの投資戦略


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米国株信者になるな!ミクサの投資戦略

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米国株ETF信者が見落としていること。

"すべての投資家にとって最大の誤りは、最近うまくいったものが、高いものではなく、良い投資だと考えることだ。最近悪かったものが、安いものではなく、最悪のものだとして売却してしまうことだ。"

【レイ・ダリオ(ブリッジウォーター・アソシエイツ)】

 

当ブログ最高管理責任者のミクサは、現在日本でも多くの人が注目している『米国S&P500指数連動型商品』への投資について懐疑的な意見を述べている。

 

誰もが気に入っているのであれば、それはおそらく、それまで良いパフォーマンスを上げてきたからだろう。ほとんどの人は、今までのすばらしいパフォーマンスを、将来のすばらしいパフォーマンスの前触れと考えるようだ。実際には、その逆になることが多いのだが…米国株インデックス投資はすばらしいアイデアだろうか?私はそうは思わない。

【ミクサ(当ブログ最高管理責任者)】

 

これまで、米ドルの長期的な下落を予想してきたミクサだが、ついに矛先が米国株ETFにも向けられたようだ。

 

『S&P500指数連動型ETF』の商品価値は過去30年間に5倍以上に成長した。

いったい、この商品のどこに不満があるのだろうか?

ミクサは1枚の表を提示したうえで自身の推論の根拠を語っている。

 

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データ元:S&P 500 Earnings世界経済のネタ帳 - 世界の経済・統計 情報サイト著者試算。

 

この表は、S&P500の一株益"実質"成長率を、10年間・20年間・30年間のそれぞれの範囲でどのように推移してきたかをまとめたものだ。

 

米国市場に投資するのであれば、日米の物価上昇率を比較して、日本の物価上昇率を上回る分を成長率から差し引いて考えなければならない。

 

投資した米国企業が成長しても、それ以上に米ドルの価値が下がっているのであれば、実質マイナス成長であると言えるからだ。

 

確かに、S&P500の一株益は30年で5倍以上に成長したが、年平均成長率に換算すると5.5%だ。意外と現実的な数字だろう?その間米国ではインフレも進み、米国の消費者物価指数は約2倍に上昇した。S&P500の一株益成長率から、日米の物価上昇率差を差し引くと、実質成長率はわずか3.45%だ。大したことはない。

【ミクサ(ファンダメンタリスト)】

 

万年ディスインフレの国は、通貨が強くなりがちであるため、外国への投資が難しくなる。

日本のような特殊な国では、国内の優良企業を探すことが最も賢明な判断だといえそうだ。

 

まだ言いたいことがあるようだが…

とりあえず先に彼のポートフォリオを確認しておくことにしよう。

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ミクサのポートフォリオ

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前回からの変化としては、

『住友商事』『三井物産』『金・プラチナ』がポートフォリオから外れている。

『銀』も一旦高値付近で売却したものの、再度下落したので買い戻したという。

これらの売却益の平均は概ね15%程度だったそうだ。

 

その一方で、新たに『壽屋』『フリュー』がポートフォリオに組み込まれている。

 

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ミクサはアニメ関連の企業に集中投資するスタイルの投資家だが、アニメ制作が収益柱の企業への投資は意図的に避けているように見える。

 

ミクサは歴史の教訓を織り交ぜながら、『アニメ制作会社に投資しない理由』を説明している。

 

1848年、カリフォルニアで金が見つかった。情報はあっという間に広まり、一攫千金を狙って多くの人がこの地に押し寄せた。彼らは大金持ちになれただろうか?金が採れたのは最初だけだった。次は1859年のタイタスビル。この地では石油が見つかり、アメリカ中から"石油堀り"が集結した。石油が大量に採れたため、石油価格は暴落、採算が取れなくなった。歴史を振り返れば、これとよく似たことが何度も繰り返し起きている。

 

これが、何も考えずブームを追いかけた者たちの末路だ。

 

では、このブームはいったい、誰を大金持ちにしたのだろうか?

それは、『ブームへ急いだ人々』に対して物を売った雑貨屋だった。

スコップや作業着が飛ぶように売れたのは想像するのに難しくはないだろう。

 

私たちが歴史から学ばないといけないのは、『人々が歴史から学ばない』という事実を学ばないということだ。

【ミクサ(哲学やってる痛い人)】

 

『バンダイナムコHD』『壽屋』『フリュー』…

なるほど、ミクサは"版権獲得力"と"商品展開力"に着目して投資先を決めているようだ。

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最大の推奨

『S&P500指数連動型ETF』という商品に投資すれば、年間その商品価値は3~4%ずつ成長していく。そこに分配金による収益を+αして『年利4~5%が受け取れる安全性の高い債券』と考えれば、そこまで悪い投資先ではない。問題は…いくらで買うかだ。

【ミクサ(バリュー投資家)】

 

一株益成長率がある程度予測可能な株式を『疑似債券』として考えるのは伝説の投資家ウォーレン・バフェットの推奨する思考法だ。

 

ここでは、S&P500指数連動型ETFを年利4~5%の疑似債券と考えよう。

しかし、この商品には一つだけ難点がある。

買った価格に応じて利回りが変化してしまうのだ。

 

PERに注目して『S&P500指数連動型ETF』のリターンの変化を調べてみよう。

 

「適正PERはいくらか?」

と考えるときにお勧めな方法が過去10年間のPERの平均値をそのまま適正PERにしてしまうという方法だ。

これは経済学者のロバート・シラーも景気循環による一時的な変動を均すことを目的として好んで使っている方法である。

 

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データ元:S&P 500 PE Ratio by Year

 

少し高い気もするが…

データから適正PERを22倍に設定しよう。

また、二国間インフレ率差調整後収益率を年間4%と仮定する。

一株益(EPS)は最新値である161.62円をそのまま当てはめる。

(※計算しやすいので単位を円とする。)

この場合株価は一株3556円となる。

(※EPS×PER=株価)

 

下の表は、PERを

・適正水準である22倍

・現状水準である28倍

・割安水準である16倍

で買った場合の、それぞれの10年後の年間期待収益率を算出して表にまとめたものである。

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購入時のPERで将来のリターンにどれだけの影響が出るかがよくわかるだろう。

 

過去のEPS成長率と日米インフレ率差をトレースして考えた場合、現状のS&P500の株価水準は極めて割高であると判断できる。

米国でのインフレ加速も、ドルの価値を貶め続けるだろう。

 

これらを踏まえ、ミクサは『債券王』ジェフリー・ガントラックの言葉を引用して次のように締めくくった。

私の最大の推奨は、米国株のパッシブ・ファンドに投資するなということだ。

 

投資の判断は個人の自由だが、現状では『S&P500』には投資するべきではないというのが当ブログの見解である。

 

※投資の判断は自分で下そう!

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ミクサの見通しまとめ

●米国株…弱気。株は高いしドルも高い。そのうちクラッシュするだろう。

●日本株…中立。欧米経済は衰退し、経済の中心はアジアに移る。日本も恩恵を得られるだろう。

●先進国債券…中立。実質マイナス金利でも需要があることに正直驚いている。運用難の現状では、しばらくこの環境が続きそうだ。

●貴金属…強気。危機の度に量的緩和が拡大している現状では、貴金属を積極的に売る理由は見当たらない。買いでいいと考えている。

●暗号資産…専門外。プリキュアコインが出れば…いや、買わない。

 

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