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日本円は安全か?ミクサの投資戦略
ハハハ、のびしろしかないわ!!
米ドルよりはマシ。
当ブログ最高管理責任者のミクサは、世界各国のインフレ率の推移から、日本円の安全性について考察している。
日本円は各国通貨の価値基準を計る『基軸通貨』ではない。日本円は計られる側の通貨だ。投資の価値を考えるように、円の価値を考えなければならない。日本の投資家にとって、これはとても重要なことなんだ。
【ミクサ(アメリカ終末説信者)】
ミクサはこれまで『長期的な円高』を予想してきた。
その根拠となってきたのが実質実効為替レートとの乖離だ。
【日銀HP参考】
ミクサが何を言いたいのかを理解し易くするために、ここでは『ビッグマック』を例に考えてみよう。
日本では390円で食べられるビッグマックだが、アメリカではこれが620円もする。
日本でビッグマックを注文すれば、おまけでハンバーガーとチキンクリスプが付いて来る計算だ。
これは明らかに一物一価の法則に反することから、市場ではこれを修正しようとする力が働く。
この考え方に基づけば、インフレ率が低く安定している通貨は、インフレ率が高い通貨に対して強くなるという理屈が成り立つ。
これが購買力平価説だ。
『実質実効為替レート』は本来の通貨の実力を表す指標であり、
購買力平価説では、長期的に為替レートは実質実効為替レートに収斂すると考えられている。
『実質実効為替レート』と『ビッグマック価格差』から、円はドルに対して恐ろしく過小評価されていることがわかる。
ミクサは従来の大幅な円高予想を継続している。
ドル/円は、『最も過大評価された通貨』と『最も過小評価された通貨』を組み合わせた通貨ペアだ。多くの人がドルを信じたことで、ドルの価格は価値を上回って上昇した。これは典型的なバブルだ。日本のカントリーリスクを考慮すると、1ドル70円台はありそうにないが、それでも90円台にはなるだろう。逆に、そうならないなら不気味だ。
アメリカ以外の国はどうか?
円はドルに対して強くなる可能性が高いことはわかった。
では、主要各国との比較ではどうか?
ミクサは先進国と新興国のインフレ率の推移をまとめている。
量的緩和政策の効果もあって、最近の主要先進国では総じてインフレ率が上昇傾向にある。
各国の金利はほぼゼロなので、実質金利差がマイナスとなることから、これら国の通貨は円の価値下落に対するリスクヘッジにはなり得ない。
では、新興国の状況も見てみよう。
新興国の多くは、先進国とは反対にディスインフレの傾向にある。
中でもロシアのインフレ率の改善状況には目を見張るものがある。
各国の政策金利は現在(2021.9.29)、
メキシコ(4.5%)南アフリカ(3.5%)ロシア(6.5%)韓国(0.75%)となっている。
今後、ロシアやメキシコといった新興国の通貨が日本円をアウトパフォームする可能性は十分にある。しかし、新興国通貨にはそれ相応のリスクがあることも否定できない。円の価値を心配する私たちにとってこれは、やや直感に反することだが…現状は日本円で持っていて問題無いと考えている。
【ミクサ(現金懐疑主義者)】
ミクサのポートフォリオ
それでは、ミクサのポートフォリオを見てみよう。
ミクサは今月も、ポートフォリオの株式の売却を進めたようだ。
前回からの変化として、『丸紅』と『三菱商事』株は売却され、金・銀・プラチナが新たにポートフォリオに組み込まれている。
ここ最近のミクサは、全ての資産への投資に消極的になっている。
理由は『ドルの暴落』だが、ミクサがこれを言い始めてからだいぶ時間が経っているものの、依然としてドルの価格は上昇を続けている。
多くの人がアメリカの金融政策正常化を意識しているからだろう。
それでも、ミクサは見通しを変えようとはしない。
2015年6月10日、日銀の黒田総裁は「実質実効為替レートから、これ以上円安になることはありそうにない」と言った。そのたった一言で、為替レートは1ドル3円も円高になった。今の状況には驚かない、前にも見た。
【ミクサ(バリュー投資家)】
人口減少は悪い事ではない。
300年前に7億人程度だった世界の総人口は現在78億人を超えた。環境破壊が進んだ結果、動植物100万種が現在絶滅の危機に立たされている。技術の進歩は自動化を加速させ、小さくなったパイを奪い合う人々の競争は激化、幸福感は減少した。今、人間的な扱いを受けてない労働者はどれくらいいるだろうか?人口を増やしていくことだけが正解とは限らない。
【ミクサ(人混み恐怖症患者)】
産業革命以降、人口は爆発的に増加した。
『熱を運動に変換する技術』は、人間を自然界の制約から解き放った。
産業革命以前でも、人間は火力・水力・風力を利用して生活していた。
しかし、これらの力はいつでも使えるわけではなかった。
木が無ければ火は起こせない。
川が無ければ水車は回せない。
風が吹かなければ帆船は前へと進まない。
一つのエネルギーを別のエネルギーに変換する技術は、人々の生活を激変させた。
住む場所の自由化、交流の増加、食料生産拡大、医療の発達…
これらすべてが人口の拡大を促した。
やがて、競争は激化し、『個』は失われた。
企業はすぐに欠けた人材を埋め合わせることができるようになった。
権力者はより強く、庶民はより弱くなった。
今、生産年齢人口の減少が、この歯車を逆回転させ始めた。
労働力は貴重になり、『個』は尊重されるだろう。
これは多くの人にとって、昔より幸せなことに違いない。
問題は…『円は価値を維持できるか?』だ。
人口の減少が円の価値を貶めるとは思わない。歴史が示してきた通り、通貨の価値は人々の信用の上に成り立っている。海外における日本円の購買力低下は、国民の海外流出を防いでいる。人々はより多くを蓄え、これがデフレ期待を上昇させる。円の価値が心配なら、貯金せずに消費するべきだ。さて…何を買おうか?
【ミクサ(熱血的節約家)】
『物価が高くて海外旅行に行けない』
『お金よりも物の方が溢れ返っている』
『将来が不安だから消費を先延ばしする』
『金持ちは消費せず、低所得者はそもそも消費できるお金がない』
これら要因からミクサは、円の価値は今後少なくとも5~10年は大丈夫だろうと考えているようだ。
産業革命以降の時代は、最新技術と自然破壊が経済成長を先導してきた。
最先端の技術をいち早く日常に取り入れた人が羨望された時代だ。
この時代では、経済成長のためには環境汚染もやむなしと考えられた。
今、時代は変わった。
古いものを大事に使うことが美徳とされ、環境に悪いものは悪となった。
『消費主義』『ロマン主義』の時代は終わり、人々のイデオロギーがまったく新しい思想に形を変え始めたのかもしれない。
現時点で何が起きるのかはわからないが、たった一つだけ確かなことがある。
『日本のハイパーインフレを心配するのは時期尚早』ということだ。
※投資の決断は自分で下そう!
ミクサの見通しまとめ
●米国株…『米国の奇跡』『米国の魔法』は、すでに織り込み済みだろう。
●中国経済…不動産バブルをここまで放置した中国政府の対応の遅さは、ブラックマンデーで対応が後手に回った日本のバブルに酷似している。用心しろ。
●日本株…現在は中立。ほかに投資先がない。
●暗号資産…金や銀との違いは、政府によって排除される順番の早さ。個人的に、あまり関わりたくはない。
●日本円…今はおそらく『安全な通貨』だ。でも、1ドル90円付近になれば捨てる。