あなたの経済学者度は?5つの質問で簡単診断!!


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 CONTENTS

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あなたの経済学者度は?5つの質問で簡単診断!!

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ホモエコノミカス

『世界でもっとも合理的な学問』は何か?と聞かれると、多くの人は『経済学』と答えるでしょう。

 

昔、経済学者は、私たち『ヒューマン』を『ホモエコノミカス』と呼び、

全ての人は合理的な意思決定を行い、誰かが間違えても、別の誰かがそれをカバーし、間違えた人は学習することで合理的な判断を行うようになるので、経済・市場は"間違わない"と考えました。

 

経済学は『最適化』(人は、限られた予算の下で最良のものを選ぶ)『均衡』(価格が自由に変動する市場では、供給と需要が一致するように価格が調整される)という究極の組み合わせを武器に、今日まで『最強の社会科学』とされ、公共政策への提言において経済学者は圧倒的に強い影響力を保持してきました。

 

しかし、今から約50年前、優れた洞察力を持つ少数の人たちが、『合理的な意思決定』をするはずの彼らのほぼ全員が『ねくたい』と呼ばれる布で自分の首を絞めつけ、血の巡りを悪くしていることに気が付きました。

 

自身のことを『ホモエコノミカス』と呼んでいる経済学者も、実は、私たち『ヒューマン』と同じ"マヌケ"である可能性が高い

 

「じゃぁ、全ての人が『ホモエコノミカス』であるという前提の経済学ではなく、全ての人は『マヌケなヒューマン』であるという前提での経済学が必要だよね」

 

こうして、心理学と経済学を融合した『行動経済学』という新しい学問が誕生することになります。

※『ねくたい』が~…というくだりは作り話ですが、まぁ…起源は同じようなものです。

 

一方、もし、私たちが経済学者のように、合理的な意思決定ができるのだとしたら…

私たちは、資産運用等の人生における重大な決断を正しく下すことができるでしょう。

 

そこで今回は経済学と心理学から、『ちゃんと合理的な判断ができるのか?』を診断できる5つの質問を用意しました。

 

5問中、4問以上に正解できたなら、あなたは合理的な判断ができる『経済学者気質』であると言えるでしょう!

 

それでは、診断スタートです。

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第一問

Q…あなたが会社からの帰宅途中、ふと足元を見てみると、道に千円札が落ちていました。どうする?

 

①拾う ②拾わない

 

《正解を表示》

 

②拾わない

 

《解説》

それはニセ札だからです。

疑問の余地はありません!

 

経済学では、『ノー・フリーランチの原理』というものがあります。

これは、市場は効率的なので、誰かがお金を落とすと、瞬時に別の誰かがそれを回収するため、誰も気づかないまま道に千円札が放置されることなどありえないというものです。

 

「タダ飯なんてあり得ない」

ニセ札を拾うために、あなたが『腰をかがめる』価値はそこにはないのです。

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第二問

Q①…世界には、石油貯まりで溺死する渡り鳥が毎年2000羽いるそうです。

対策にいくらなら支払えますか?

 

金額を決定したら、もう一つ質問です。

 

Q②…世界には、石油貯まりで溺死する鳥が毎年20万羽いるそうです。

対策にいくらなら支払えますか?

 

《正解を表示》

 

1羽あたり1円を支払うことができるなら、2000羽を救うためには2000円を、20万羽を救うためには(経済的に余裕があれば)20万円は惜しまない。

 

《解説》

これは心理学の実験で実際に出題された問題です。

 

この実験では、被験者を2つのグループに分け、上記2つの問題を片方ずつ別々に出題しました。

 

結果は、どちらのグループも、拠出する金額に大きな差はありませんでした。

 

私たちの脳は、統計上の数の広がりを認識することが苦手なのです。

私たちの脳が持つこのような性質を心理学者は、

スコープ無反応性と呼びました。

 

私たちが資産運用等で、複利の効果を過小評価してしまうのも、スコープ無反応性が原因と言えるでしょう。

 

目の前に大怪我をした白鳥が苦しそうにしています。

あなたが『ホモエコノミカス』であり、合理的な意思決定ができるのであれば、この白鳥を助けるために拠出できる金額は『1円』となります。

疑問の余地はありません!

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第三問

Q…恋人を誘い、一緒に映画を見に行きました。

その映画のストーリーはひどくお粗末だったので、恋人はあなたの耳元でこうささやきました。

「もう出よう。この映画を最後まで見るのは時間の無駄だ。」

どうする?

 

①とりあえず最後まで見る。 ②直ちに映画館を出る。

 

《正解を表示》

②直ちに映画館を出る。

 

《解説》

5000円を支払ってチケットを買ったことは、つまらない映画を最後まで見る理由にはなりません。

映画を最後まで見ても、見なくても、支払ったチケット代は戻ってはこないのですから。

 

『もはや回収できない費用』のことを経済学用語で、

サンクコストと言います。

 

経済学者は、「サンクコストは無視しろ」と助言します。

 

私の本棚には、つまらなくて読むのをやめた本が何冊も大事に並べられています。

「処分する?一冊3000円もしたんだぞ!」

私はまだ、サンクコストのワナから抜け出せずにいるのです。

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ワナワナワナって…うんざりだ!

第四問

Q…『アジア病』という危険な伝染病に600人が感染してしまいました。

この伝染病対策には2種類の対策があり、

対策Aを選ぶと、400人が確実に死にます。

対策Bを選ぶと、3分の1の確率で1人も死なずにすみますが、3分の2の確率で1人も助けることはできません。

あなたはどちらの対策を選びますか?

 

《正解を表示》

対策Aを選び、400人を見捨てます。

 

《解説》

言葉とは不思議なもので、同じ状況のはずなのに、表現を変えただけで受ける印象はずいぶんと変わってしまいます。

 

立派な額縁に入った絵を見ると、その絵の価値を高く評価してしまうように、私たちは、どんな枠組みに基づいて理解するかで、同じものでも異なる決定を下してしまうのです。

 

私たちの意志決定に現れるこのような傾向を心理学用語で、

フレーミング効果と呼びます。

 

この問題を使った心理学の実験では、多くの人が『対策B』を選び、3分の1という低い確率に、確実に助かるはずの200人の命を賭けたのです。

 

対策A・Bを次のように言い換えれば、きっと、多くの人が対策Aを選ぶでしょう。

 

対策Aを選ぶと、200人が確実に助かる。

対策Bを選ぶと、3分の1の確率で全員が助かるが、3分の2の確率で600人全員が死ぬ。

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第五問

実験のため、あなたを含む10人がランダムに集められ、全員に千円札10枚が配られました。

しばらくするとアナウンスが流れます。

「"公共財"に拠出すれば、拠出額を合計し、それを2倍にした金額を全員に均等に分配します。拠出したい金額だけ、お手元の無記名の封筒に入れ、回収ボックスに入れて下さい。」

あなたなら、いくら拠出しますか?

 

《正解を表示》

一切拠出しない。

 

《解説》

これは公共財ゲームと呼ばれる実験です。

このゲームにおける合理的かつ利己的な戦略は、何も拠出しないことです。

 

あなたが1000円を拠出した場合、1000円を2倍にした金額の2000円が10人に均等に分配されます。

あなたの取り分は200円であり、800円も損をすることになるのです。

 

しかし、このゲームに参加した全員が全額を拠出した場合、全員が2万円を受け取り、ハイテンションで銀行口座に入金することができます。

 

一般の人たちだけで、このゲームをやった場合、参加者は与えられた金額の約半分を公共財に拠出しました。

 

しかし、参加者を『経済学研究科の大学院生』だけに絞り、同じ実験を行うと、拠出率は20%にとどまったのです。

 

社会学者のジェラルド・マーウェルは、この結果を見て次のように語ったそうです。

 

タダ乗りするのは経済学の研究者だけ。

 

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私たちは『人間』なんだ!

いかがでしたか?

 

まず、4問以上正解できた方、おめでとうございます!

あなたは、何事にも合理的かつ最適な決断を下すことができる『ホモエコノミカス』であると言えるでしょう!

 

ホモエコノミカスであるあなたは、非常に優秀な頭脳の持ち主ですが、しばしば、『他人も自分と同じくらい頭がいい』と勘違いしてしまう傾向にあるので、リーダーとして集団を先導するとき、自分の資産を運用するとき等には、思いもよらないトラブルに遭遇してしまうかも!?

 

エコノミストのヘンリー・カウフマンが言った、次の名言を忘れないようにしましょう!

 

損をする人は二種類いる。何も知らない人と、何もかも知っている人だ。

 

私と同じように、たくさん間違えてしまった方…

あなたは私と同じ『マヌケなヒューマン』です。

 

しかし、落ち込む必要なんて全くありません!

私たち人間は皆"間違える"生き物だからです。

 

市場が効率的?とんでもない!

個人も、会社も、国も…みんな間違えて当たり前なんです。

 

『人間は間違える』『市場が効率的とは限らない』

この二つが理解できていればきっと、私たちは今よりもずっと、賢く生きていけると信じています。

 

『天才投資家』チャーリー・マンガーは言いました。

 

まったくの愚か者であることを認める人が好きだ。自分が間違っていることを思い知ったら、次はもう少しうまくやれる。何かを学ぶのに、これほどのコツはない。

 

私たちは、自分で思っているほど、自分のことを知りません。

自分の思考の癖を知るために、心理学や行動経済学を学んでみるのもいいですね。

 

以上です。

社畜サラリーマンに幸あれ☆彡

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まとめ

●基本的に市場は効率的であるため、市場を利用してお金を稼ぐことは難しいが、市場が常に効率的とは限らない。

●私たちは、統計上の数字の変化を直感的に理解することができない。そのため、私たちはしばしば、複利の力を過小評価してしまう。

●何かに時間やお金を投資し続ける理由はいくらでもあるが、間違っている理由が一つだけある。「もったいないから」という理由だ。膨れ上がった費用や損失を無視してこそ、合理的な決断ができる。サンクコストは無視しよう。

●私たちは、言い方を変えて説明されただけで、まったく違った解釈をしてしまう。私たちが得る情報はすべて、一つの枠組みを通して描写されている。どんな枠組みに基づいた情報かをよく見極めよう。

●合理的な判断は時に、得られたはずの利益を取り逃す。周りが間違っていることを強く確信したときは、その確信に大きく賭けよう!

参考

行動経済学の逆襲

セイラー教授の行動経済学入門

今日から使える行動経済学 (スッキリわかる!)

超予測力 不確実な時代の先を読む10カ条 (早川書房)

Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法

マンガーの投資術

投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識 (日本経済新聞出版)

 

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