未来を予測することが無駄であるこれだけの理由


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未来を予測することが無駄であるこれだけの理由

 

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専門家の予想は信頼できるのか?

私は投資家であるが故に予測することが大好きです。

だから私は、これまでに多くの予測を立ててきました。

 

それで…いったい、どれだけの予測を的中させることができたでしょうか?

結果はさんざんなものでした。

 

『買った株は下がり、売った株は上がる』

だいたいそんなところです…Orz

 

「素人の予測なんて当たるわけがない!」

では、私たちよりも賢く、多くの情報を持っている『専門家』の予測の精度は、いったいどれほどのものなのでしょうか?

 

心理学者のフィリップ・E・テトロックは、合計284人の専門家の、8万2361件の予測を、10年間にわたって調査しました。

 

その結果、『ほとんどの専門家の予測はチンパンジーに劣る』ということがわかったのです。

 

ということで今回は、私たちの予測が外れる理由について述べていきます。

間違った固定観念を捨て、大金持ちを目指しましょう!

 

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予測の限界

厚さ0.1㎜の紙を50回折りたたんだ場合、紙の厚みはおよそ1億㎞に達します。

 

このように、増幅効果のある物事を予測することは、私たちにとって、とても難しいことであることがわかっているのです。

 

古代ペルシャから伝わるこんな神話もあります。

 

チェス盤を発明した人は、王様からの褒美にこんな要求をしました。

 

「チェス盤に米粒を盛っていただければそれで結構でございます。1マス目には米を1粒、2マス目には2粒、3マス目には4粒と、順番に2倍の米粒を置いていってください。」

 

王様はたいした量にはならないだろうと考え、この要求を承諾しました。

 

実際はどうだったでしょうか?

要求された米粒の量は、蓄えていた量全部を大きく上回ってしまったのです!

 

数学者のマイケル・ベリーは、ビリヤード台に置いたボールの動きを予測しようと試みました。

 

1回目は、『テーブルの摩擦力』『ボールを突く時の力の強さ』といった基本的な情報があれば、比較的簡単に予測できました。

 

しかし、10回目になると『テーブルの横に立っている人の引力の強さ』といったものを計算に入れなければならなくなりました。

 

そして57回目...数学の限界に到達しました。

なんとこれを予測するためには、宇宙に存在するすべての素粒子についてそれぞれ仮定が必要になったのです。

 

100万光年離れた遠い宇宙の出来事であっても、ボールの動きに影響を与える可能性があるのです!

 

プール台に置かれた1個のビリヤードボールを伝々しているだけで数学の限界に差し掛かる…

 

「この投資信託を毎月一定額積み立てていけば、将来〇倍の利益が期待できます!」

これはいったい何の根拠があって、何%の確率でそうなると言っているのでしょうか?

 

私たちは今知っている情報だけで、簡単に将来の株価を予測できると思い込んでしまいます。

 

『将来の株価は予測できない』

 

世界でもっとも成功した投資家であるウォーレン・バフェットは、『一見、誰もが"ありそうにない"と考えるような株価』を想定して投資することで知られています。

 

ウォーレン・バフェットは言います。

 

法外な買値や売値を提示することを、決して恐れてはいけない。

 

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反復期待値の法則

統計学では

反復期待値の法則というものがあるそうです。

 

私は頭が悪いので、『統計学』なんて高度な学問ははっきり言って理解できません。

 

『レバノンの知識人』ナシーム・タレブは、この法則について、私たちでも理解できるように数式を使わず次のように説明してくれています。

 

反復期待値の法則には『強法則』と『弱法則』の2つあり、内容は次の通りです。

 

【反復期待値の強法則】

将来のある時点で何かを期待すると"今"期待するなら、その何かを今すでに期待していることになる。

 

【反復期待値の弱法則】

予測ができるぐらい将来を理解するためには、その将来自体から来た要素を取り込まないといけない。

 

たとえば、『人間が鮮明に思い描ける発想の多くは実現できる』と言われています。

 

しかし、未来の全体像を正確に予測しようとした場合、『私たちが"今"鮮明に思い描ける発想』に加え、『"将来"私たちが鮮明に思い描けるであろう発想』も全て予測できなくてはならないのです!

 

しかし、そんなことは不可能です。

 

なぜなら、『"将来"私たちが鮮明に思い描けるであろう発想』が予測できるのであれば、それはすでに『私たちが"今"鮮明に思い描ける発想』であり、開発に向けた研究がすでにスタートしていなければならないからです。

 

ナシーム・タレブは言います。

 

将来発明されている科学技術がわかっていないと、将来は予測できない。でも、そんなものがわかっているならばほぼ自動的に、すぐさま私たちはその科学技術の開発を始められる。ゆえに、将来何が起こるのか私たちにはわからない。

 

「そんなことは当たり前のことでわかりきっている!」

 

ではなぜ、私たちは『10年後の会社の成長』を予測するのでしょうか?

それはきっと、"わかっていないから"でしょう。

 

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 再帰性の理論

私たちは世界の一部であるために、世界を完全な形で理解することはできません。

 

たとえば、私たちが人間社会を理解しようとしても、観察者である『私たち』もまた観察対象である人間社会の一部なのですから、理解することは不可能です。

自分が何者であるかすら…私たちにはわからないのですから。

 

にもかかわらず人間は、自分が生きる世界を知識として理解しようとします。

これを専門用語で

認知機能と呼びます。

 

その一方で、人間は世界に影響を与えようとし、自分にとって都合の良いように改造しようともします。

このことを

操作機能と言います。

 

私たちは世界を変えようとします。

しかし『変えようとしているその世界』を私たちが理解することはできません。

すると、『認知機能』『操作機能』共に、確たる結果を生み出せなくなるのです。

 

世界三大投資家として知られるジョージ・ソロスは、この2つの機能の双方向的な干渉を、

再帰性と呼びました。

 

ジョージ・ソロスは言います。

 

『再帰性』は、ニュートン物理学のように、確定的な結果を出すものではない。むしろそれは、不完全な理論にしたがって行動する参加者たちがいるような状況に不可避の、非決定性の要素を重視するものだ。金融市場においては、すべての変数が均衡点に向かうようなことはなく、むしろ均衡を失ったかのように、あらゆる方向にすべてが動いていく。繰り返し出現するパターンはあるかもしれないが、実際の通り道はどれ一つとして同じでなく、しかも不確定だ。このため『再帰性』の理論は、一回しか起こらないようなことを理解するための理論、つまり歴史の理論となる。

 

私たち投資家は、将来の株価を予想して株の売買を行います。

しかし、株価自体は売買する人々の予想によって決まっています。

 

つまり、

株価が人々に影響を与え、人々の行動が株価に影響を与えるのです。

結果として、予想と現実はどんどんかけ離れたものになっていきます。

 

『将来の株価は予測できない』

では、これを理解しているジョージ・ソロスは、どのようにして利益を上げていたのでしょうか?

 

カール・ポパーはテストが厳しければ厳しいほど、それを克服してなお残るような一般原則の価値は大きいと主張する。…私は『モーゲージ・ギャランティー・インシュランス』のビジネスモデルは厳しい試練に十分打ち勝てるほど健全だと判断して、逆に株を買い入れた。

 

なんと彼は、『哲学的な命題』を直接株式投資に持ち込むことで、結果として莫大な個人資産を築くことに成功したのです!

 

他にも、『投資ポジションを変える理由』について「背中が痛くて死にそうだから」と答えたり、『ロシアに投資しない理由』については「個人的にあの国には投資したくない」と語っています…。

 

一般大衆の考えとジョージ・ソロスの違いがわかれば、ひょっとすると私たちも投資で大成功できるかもしれないですね☆

 

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 『よくわからない』でも正しいこと

母乳だけで育てられた赤ちゃんには、健康上さまざまな利点があることが立証されていますが、理由の詳細は未だに解明されていません。

 

扁桃腺を切除すると喉頭ガンになる可能性が高くなります。

しかし、何十年にもわたり医療では『扁桃腺は何の役にも立たない』と考えられていたのです。

 

原因不明の病に対して、たまたま処方した薬で症状が治まったとします。

『なぜ症状が改善したのか?』その原因はわかりません。

次に同じ症状の患者が現れたとき、どうすればいいでしょうか?

とりあえず、同じ薬を使うべきでしょう。

 

私たちの生きるこの世界では『よくわからないけど正しいこと』がたくさんあります。

 

安定した会社に就職しても、幸せになれない私のように、

株式投資に関わる多くの本に書かれているような『お堅いルール』を守っても投資で成功することができないのであれば、その方法は間違っている可能性が高いのではないでしょうか?

 

『将来の株価は予測できない』

 

正しいとされるルールにもとづいて投資しても、失敗する可能性があるのであれば…

私たちはもっと単純な理由で、投資先を決めてしまっていいのではないでしょうか?

 

『伝説的投資家』ウォーレン・バフェットもこう言っています。

 

世間が『すべきだ』で動く時、成功者は『好きだ』で動いている。

 

最後に、『投資家にとって大切なこと』をまとめて下さっている素晴らしい記事を見つけたので紹介します。

 

www.fukuikeita21.com

 

ケイタさんのこの記事を読めば、『投資とは何なのか?』全体的なイメージが掴めると思います。

それと同時に、たくさんの『わからないこと』が見つかると思います。

 

『わからない』って面白いと思いませんか?

だって、『わからないこと』が理解できれば、私たちはもっとうまく立ち回ることができるのですから!

 

天才投資家チャーリー・マンガーもこう言っています。

 

自分が何を知らないか知っていることは、優秀である以上に価値がある。

 

ぜひ参考にして頂ければなと思います。

 

以上です。

投資家の皆様の健闘を祈ります!

(`・ω・´)ゞ

※投資は完全自己責任でやりましょう!

 

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まとめ

●ほとんどの専門家の予測はチンパンジーにも劣る。他人の予測は無視しよう!

●増幅効果のある物事は、天才数学者であっても予測できない。一見『ありそうにないこと』に思えても、想定しておくようにしよう。

●『将来発明されるもの』がわからなければ将来を予測することはできない。しかし、それがわかっているのであれば、すでに開発に向けた研究がスタートしている。故に私たちは将来なにが起きるかわからない。

●株価が人々に影響を与える一方で、人々の行動が株価に影響を与える。結果として、私たちの予測と現実はどんどんかけ離れたものになる。

●人々が『すべきだ』で動く時、成功者は『好きだ』で動いている。とっておきの会社に財産を投じてみよう!

参考書籍

Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質

ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ

史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵

ウォーレン・バフェット 巨富を生み出す7つの法則

 

www.mixa.biz

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