ニュースを見ても投資で成功することはできません!


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ニュースを見ても投資で成功することはできません!

 

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ニュースは本当に必要なのか?

『投資は情報が全て!』

私が投資を始めて間もないころ、私はこの言葉を真に受け、とにかく情報収集に励んでいました。

 

毎日スマホとテレビでニュースを小まめにチェックし、新聞は『朝日新聞』と『日本経済新聞』の2種類を購読。

最新の投資情報を発信しているユーチューバーを何人もチャンネル登録し、最新の世界情勢を常にチェックする毎日を過ごしていたのです。

 

そんな生活を3年間ほど続けて、私の投資成績はどうなったでしょうか?

 

私の投資リターンはマイナス100万円という酷い結果に終わりました。

 

当記事では『ニュースが如何に私たちにとって有害であるか』を説明し、最後に『私たちに本当に必要な情報とはなにか?』について述べていきます。

 

不要な情報を排除し、投資の精度を高めましょう!

 

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役に立つニュースなど、ほとんど無い!

『アンジャッシュ渡部の不倫』『市街地にイノシシ出没』『チリで起こった100万人の抗議デモ』『ヒュンダイ日本進出』『安倍首相辞任』『北朝鮮の軍事演習』『カーリングアジア選手権中止』『GOTOバーバーキャンペーン』…

 

これらすべてを私たちが知る必要はあるでしょうか?

 

過去1年の間、私たちは少なくても短いニュース記事を1万件は受け取っているはずです。

1日あたり約30件・・・

 

正直に答えてください。

そのなかで、あなたが人生やキャリアや仕事に関する決断を下すときに役にたったものはどれくらいあったでしょうか?

 

私はこの質問を50人の知り合いに聞いて回りました。

 

結果は私の考えていたよりも悲惨なものになりました。

誰一人として、一つも答えることができなかったのです。

 

実はこの実験は『スイスの知の巨人』として知られるロルフ・ドベリの行った実験です。

 

ロルフ・ドベリが調査した結果は…

質問を受けた人のなかで、2件以上のニュースを挙げた人はいなかったそうです。

 

1万件もあって、たった2件も見つからない…

ジャーナリストの方には非常に気の毒でかける言葉も出ません…続けます。

 

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生活からニュースを排除した方がいい理由

ロルフ・ドベリは自身の著書のなかで次のように述べています。

 

ニュースは、砂糖が体におよぼす影響と同じような影響を精神におよぼす。食欲をそそり、消化もしやすいが…長期的には大きな害になる。

 

例えば、中国で少年が挟まれたとします。

救出は思いのほか難航し、メディアは救出状況のライブ配信を始めました。

 

この可哀想な『挟まれた少年』の救出劇は瞬く間に世界へ拡散。

世界中の人々が関心を寄せるようになりました。

 

仮に、10億人の人々が1時間、このニュースに気を逸らされると、合計10億時間が無駄になります。

 

これは2000人分の一生の時間に相当するのです!

 

こんな話を知ってから、私はニュースを意識的に避けるようになり、新聞の購読は止めました。

 

それで…なにか問題があったでしょうか?

安心して下さい。何も問題はありません。

 

情報で溢れ返っている現代社会では、私たちに必要な情報は意識しなくても自然と入ってくるのです。

 

私たちの脳は、聞いている音のなかから必要性・重要度の高いものを選別し、重点的に聞き取るようにできています。

 

心理学ではこれを

カクテルパーティー効果なんて呼んでいます。

 

私たちは『ニュースに関心を向けるのは良いことだ』と昔から教わってきました。

 

しかし実際はその逆で、ニュースを見たり聞いたりすることは、人生を『有利』にするどころか、かえって『不利』にしてしまっていたのです。

 

ロルフ・ドベリは次のように述べています。

 

ニュースの消費が本当に成功の役に立つというなら、収入のピラミッドのトップはジャーナリストで占められていなければならないはずだ。しかし現実はそうではない。その逆だ。 

 

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効率的市場仮説

「投資で利益を上げたいなら『ニュース』みたいな小さな手がかりでも無いよりはマシだ!」

 

果たして、私たち投資家にとってニュースは『無いよりはマシ』なのでしょうか?

 

ある投資家が『A社株はZ円まで値上がりする』という確かな情報を得たとします。

当然この投資家はZ円に到達するまでA社株を買い続けることでしょう。

 

しかし、他の人も同様な情報を持っていたとします。

すると、他の投資家もZ円以下なら、われ先にと買い急ぐことになるでしょう。

 

多くの投資家が買い急げば、A社の株価は一瞬にしてZ円まで上昇します。

 

このように、将来の株価に対する確かな情報を得たとしても、その情報は一瞬で株価に反映されるため、情報は将来の株価予想には利用できないと考えられているのです。

 

この考え方を経済学では

効率的市場仮説と呼んでいます。

 

私たちがニュースで得た情報は瞬時に株価に反映される…

私たち投資家が如何に無駄なことをしているかがよくわかりますね。

 

ニュースで株価が動いた後は、そこから上がるも下がるも確率は50%です。

 

「おいおい…そんな仮説をまだ信じているのか?伝説的投資家のウォーレン・バフェットも言っているじゃないか!」

 

市場が効率的なら、私はいま街頭で物乞いをしているだろう。

 

それでも私は、少なくとも短期ではこの仮説は正しいと信じています。

 

ヒマがあったら適当に銘柄を選んで、ニュースで動いた株価がその後1カ月間でどうなるか検証してみるといいでしょう。

おそらく、無限に繰り返していれば『大数の法則』に従って、上昇・下落の確率は50%に収束していくことでしょう。

 

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情報バイアス

人を集めて二つのグループに分け、ピンぼけした消火器(それがなにかわからないほどのピンぼけ)の画像を見せます。

 

一方のグループでは、解像度を10段階に分けてゆっくり上げていきます。

もう一方のグループではもっと素早く5段階で上げます。

 

同じ解像度の画像のところで、それぞれのグループに何の画像か尋ねます。

 

写っているのが消火器だと見分けるのが早いのは、どちらのグループでしょうか?

 

それは、踏んだ段階の数が少ないほうのグループです。

 

心理学ではこういった実験が形を変えて何度も行われてきました。

 

そして、どの実験も同じ結果に終わります。

 

私たちが信じる『情報が多ければ、おのずとよい決断を導き出せる』という考えは幻想だったのです。

 

この思考の誤りは

情報バイアスと呼ばれています。

 

このことについて、

『レバノンの知識人』ナシーム・タレブは次のように述べています。

 

誰かに情報を与えれば与えるほど、その人が立てる仮説も多くなり、どんどん間違ったほうへ進んでいく。でたらめなノイズを見て、それを情報と勘違いするのだ。 

 

証券トレーダーや経済アナリストといった経済の『専門家』は私たちの数千倍の情報を持っています。

 

彼らは、大規模なマクロ経済変数のデータから、テレビに出てくるような『専門家』や『権威のある人』の予測や推奨といったありとあらゆるデータを揃え、コンピュータを使ってそれを処理し、確実(と思われる…)予測をはじき出します。

 

こうして完成した予測はいったいどれほどの確率で的中しているのでしょうか?

 

ファンド運用の専門家であるピーター・リンチはこんな言葉を遺しています。

 

アメリカには経済の専門家が6万人いる。その多くは、経済危機や金利を予測するために企業などに雇われている。予測が2回たて続けに当たっただけで、彼らは億万長者になれるだろう。しかし、私が知る限りでは、ほとんどの経済専門家は、億万長者になれずに相変わらず雇われの身のままである。 

 

多くの情報を持っていることと、投資で成果を上げることは実際は、まったく関係ないのです。

 

投資で成功するために情報を必死でかき集めている方…

悪いことは言いません。

 

その時間をもっと有意義なことに使いましょう!

 

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結論

私たちは情報とどう向き合うべきなのでしょうか?

ロルフ・ドベリは次のように結論づけています。

 

 最低限の情報で生活するよう心がけよう。そうすれば決断の質は上昇する。知らなくてもいいことに価値はない。それを知ったところで無価値なものは無価値のままだ。

 

では、私たち投資家にとって『最低限必要な情報』とは何でしょうか?

 

年次報告書と財務三表の重要性は言うまでもないですね。

金融危機などの出来事の背後関係を詳しく記した本や長文記事も重要です。

 

他には、投資しようとしている会社の経営者のインタビュー記事や、自分の興味のある分野の週刊誌なんかを読んでみるといいでしょう。

 

冒険投資家として知られるジム・ロジャーズもこう言っています。

 

クルマでもファッションでも何でもいい。あなたがその分野について多くを知っている場合、他の人よりも有利な立場に身を置くことができる。投資に関する最も重要な教訓は、みんなが大失敗しているときに、あなたが知っている何かに投資すれば、その後、投資した商品の価値は大幅に上がるケースが多いことだ。 

 

投資は私たちが思うほど難しいものではありません。

 

ギリシア文字の入った方程式を解く必要もなければ、統計学を応用したテクニカル分析をする必要もないのです。

 

好きな分野のオタクになること、そして、簡単な算数の計算ができれば、きっと私たちの投資はうまくいくでしょう。

 

その証拠に、世界で最も成功した投資家の一人であるウォーレン・バフェットもこう言っています。

 

 ビジネススクールでは単純な行動をとるより、複雑かつ困難な行動をとったほうがお褒めにあずかれる。しかし、効果が高いのは前者である。

 

世界が複雑なのではなく、複雑にしているのは私たち自身なのかもしれませんね。

 

以上です。

投資家の皆様の健闘を祈ります!

(`・ω・´)ゞ

※投資は完全自己責任で行って下さい!

 

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まとめ

●ほぼ全てのニュースは実際、何の役にも立たない。そして、長期的には『大きな害』へと変貌する。

●私たちが得た情報は、瞬時に株価へ反映される。故に、必死になってニュースをチェックしても、投資で成功する夢は叶わない。

●『情報が多ければおのずと良い決断を導き出せる』という考えは幻想である。そして実際はその逆である。

●他人の予測は無視しよう!どんなに頭がいい人の予測であっても、予測の精度は高くない。

●最低限の情報で生活しよう!知らなくていい情報に価値はなく、知ったところで価値は無い。

参考書籍

Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法

Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法

Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法

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