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世界的投資家から学ぶ『幸せを掴む"お金のルール"』
お金があれば幸せになれる?
突然ですが質問です。
皆さんは自分に点数をつけるとしたら、何点をつけるでしょうか?
70点いや…80点でしょうか?
では次に、
いつも自分の一番近くに居てくれる人を思い浮かべてみて下さい。
その人には何点をつけますか?
これはカナダの心理学者マーレーが行った実験です。
人は、気分が良いときは物事のプラスの面が見えやすくなり、逆に気分が悪くなれば、マイナス面ばかりに注目してしまう傾向があります。
心理学ではこれを
気分一致効果と呼んでいます。
冒頭の質問で、自分に親しい人の点数を自分より高くつけた人は、幸せを感じやすく、逆に、自分より低い点数をつけた人は、幸せを感じにくい傾向にあります。
では、私たちの幸福感とは、いったいどうすれば上げられるのでしょうか?
豪邸に住み、お金があり、高級車に乗り回していれば幸せになれるのでしょうか?
おそらく、それでは自分より高い点数を他人につけることはできないでしょう。
心理学者のソーニャ・リュボミルスキーは、人の幸せを決定づける要因は3つあり、お金を含む環境的要因から受ける影響はわずか10%しかないと言っています。
あとは、変えることのできない遺伝的要因が50%、本人の考え方や行動が残り40%を決定づけているそうです。
心理学では、行動や考え方を変えることで、幸福度を高めることが大切だと考えられていますが、お金が与える影響は決して『0』ではありません!
遺伝的に幸せを感じにくい人にとっては、お金も大切な要因の一つであることには変わりないのです。
そこで今回は、そんな『お金で手に入る最低限度の幸せ』を確保するためにはどうすればいいのか?
ということを、お金を増やすプロである、世界的投資家たちの言葉をヒントに、考えていきたいと思います。
それでは、見ていきましょう!
最低限確保したい年収
世間では『所得が低い人よりも、所得が高い人の方が幸福度が高い』と言われていますが…これは本当なのでしょうか?
世界では、国の一人当たり実質GDPと、国民の満足度を比較するという調査が、多くの国を対象に行われています。
普通なら、国が豊かになったのですから、国民も幸せになっているはずですよね?
この調査結果は、どの国でも同じような結果になります。
国がいくら豊かになろうと、国民の満足度はほとんど変化しないのです。
『豊かになっても幸福感は変わらない』というこの関係は、
幸福のパラドックスと呼ばれています。
伝説的投資家のウォーレン・バフェットもこう言っています。
幸せと金は別物である。
しかし、多くの人はこのことを"綺麗事"だと言うでしょう。
では学術的に、私たちはどれだけの収入があれば、幸せを感じることができるのでしょうか?
経済学者の筒井義郎氏は、日本における幸福度と、一人あたりの所得の関係について調査しました。
結果は、次のようになりました。
どうやら…私たちがある程度満足するためには、年収250万円以上は最低限必要になってくるようですね。(個人差あり)
逆に、年収700万円を超えると、それ以上稼いでも満足度は変化しないそうです。
ケーキバイキングで美味しく頂けるのが最初の2~3個までであるように(個人差はありますが…)、年収も700万円あれば、私たちには十分のようですね。
「やりたいことで成功してお金持ちになる!」
そう夢見る方も多いと思いますが…
人には、ある程度満たされていないと『我慢強く長期的に取り組む』ということが難しい傾向があることがわかっています。
好きなことにチャレンジするのは素晴らしいことですが、ある程度足元を固めてからでも遅くはないのではないでしょうか?
高望みしない!
人によって、「年収200万円でも幸せだよ」という人と、「年収1000万円でも足りない」という人が存在します。
なぜそんなことになるのでしょうか?
それは、欲しい物の価格が違うからでしょう。
冒険投資家として知られるジム・ロジャーズはこれについて次のように語っています。
6つの家を所有している人を私は知っている。それが彼の欲しいものだ。ーーーこのように誰もが自分のニーズを持っている。一部の人々は権力と地位を求めて、多くのお金を使おうとする。彼らは自分の財産より多くのものを欲しがり、借金をしてでも無理に欲しがるので、人生が台無しになることがある。
自分の持っている以上のものを欲しがることが、私たちを幸せから遠ざけてしまっているようですね。
「マイホームや高級車を夢見て何が悪い!?夢があるから前向きに生きていけるんだ!」
と思う方も多いことと思いますが…
私は、無理してマイホームや高級車を買ってしまいましたが…
時間を戻せるのであれば、購入前に戻りたいと思っています。
心理学者のエド・ディーナーは、人の幸福感を次のような公式で表しています。
例えば、今あなたは1000万円を現金で持っていて、車が欲しいと思っています。
欲しい車が500万円で買えるレクサスであれば、とても幸せなのではないでしょうか?
しかし、欲しい車が3000万円のフェラーリだと、あなたは不満を口にするでしょう。
これを上の公式に当てはめてみると、幸福感は6倍も違うことになります。
この公式から見えてくるのは、高望みをすればするほど、人は幸福感を失うということです。
『持っているお金で買えないものは欲しがらない』
これが人生を豊かにする秘訣なんですね。
お金を使い果たす人は、運をも使い果たしてしまいます。
質素倹約な投資家ウォーレン・バフェットもこう言っています。
稼ぎを使い果たすことはなく、常に一部を貯めておいた。それでずっとうまくいっているのだ。
最低限するべき貯蓄
個人心理学を創始したアルフレッド・アドラーは、『全ての悩みは人間関係に由来する』と考えました。
仕事をしていると、突然の配置転換で、良識のかけらもない上司の下で働かなければならない状況に出くわすことも十分に考えられます。
「甘ったれるな!根性で乗り切れ!」
なんて言う人もいますが…
自分の頭までイカれてしまう前に、その状況はどうにかした方がいいでしょう。
英語には、率直なものの言い方をする人がよく口にする
『ファック・ユー・マネー』という表現があります。
『嫌いな上司ともめたあげく「くそったれ!」と捨て台詞を吐いて職場放棄し、結果的に会社を辞めざるをえなくなったとしてもかまわないと思えるだけのお金』という意味です。
自分の年収と同じくらいのお金があれば、それは『ファック・ユー・マネー』と呼ぶことができるそうです。
スイスの知の巨人ロルフ・ドベリは自身の著書のなかで次のように述べています。
年収分の貯金は、あなたの経済的な自立を保証してくれる。さらに重要なことに、ファック・ユー・マネーがあればものごとを客観的に見て、客観的に考えることができる。
『ファック・ユー・マネー』があるのと無いのとでは、安心感に雲泥の差が開きます。
最低限、『自分の年収と同程度のお金』は、貯金しておくといいでしょう。
結論
私たちがお金で不幸にならないようにするためには、
①年収250万円を確保する。(それ以下でも満足できるならOK)
②自分の所持金内で買えないものを欲しがらない。
③年収分の貯金をしておく。
です。
世界最大級の投資会社バークシャー・ハザウェイは、どうしてあれほどまでに成長することができたのでしょうか?
ウォーレン・バフェットはこう答えています。
うちと同規模の企業で、経費がうちより低いところはないでしょう。
バークシャー・ハザウェイは、他の同様な会社の平均からすると、経費はわずか250分の1しか使っていないそうです。
バフェットは、質素倹約を徹底することで、世界一の投資家となり、世界有数の優良企業をつくり上げたのです。
まずは、上記3つのルールをクリアし、金銭的な余裕を手に入れましょう!
それができたなら、よい人生を手に入れられるかどうかは『お金以外の要素』で決まります。
最高の自分になるために、やりたいことを思う存分やりましょう!
以上です。
社畜サラリーマンに幸あれ☆彡
まとめ
●幸せと金は別物である。しかし、金欠だと幸せは離れていく。
●高望みすればするほど、人の幸福感は薄れていく。持っているお金で買えないものは欲しがらないようにしよう。
●年収分の貯金は、あなたの経済的な自立を保証してくれる。ファック・ユー・マネーを貯めよう!
●人は、ある程度満たされていないと我慢強くなれない。我慢強くない人は、何をやってもだいたい失敗する。
●よい人生を手に入れられるかどうかは『お金以外の要素』で決まる。金銭的余裕を確保したなら、やりたいことを思う存分楽しもう!
参考書籍