困難は人を強くするのか?


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Contents

 

困難は人を強くするのか?

 

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起死回生の誤謬

今の会社に入社して最初の数年間、私は、非常に厳しい上司の下で働いていました。

毎日暗い顔をして出社し、暗い顔をして帰る…

そんな日々を繰り返していました。

 

月日が流れ、その上司も役職定年を迎えました。

現在は、明るい顔をして会社に行き、明るい顔のまま家に帰ることができています。

 

最近、会社の人にこんなことを言われました。

「今の自分が有るのは、その経験があったからだろ?」

 

その言葉に私は強い違和感を覚えました。

 

困難は人を強くするのでしょうか?

 

私には学生の頃いじめられた経験があります。

学校(会社も)とは恐い所で…最初1人だった敵は、日が経つにつれ雪だるま式に増え、数カ月のうちに『1対30~40人』という構図が出来上がってしまいます。

 

いじめられた経験は私を強くしたのでしょうか?

 

私は、能力が無いのに、目立とうとすると完膚無きまでに叩きのめされることを学んだだけでした。(※能力を身に付けたとしても、目立たない方がいいです。)

そして、今でも人混みが苦手です。 

 

私の親は多額の借金をしていました。

毎日ポストの中には大量の督促状が届き、催促の電話もたくさんかかってきました。

 

この経験は私を強くしたのでしょうか?

 

私は、借金は恐いものだということを学んだだけでした。

そして、リスクを取ることに極端に憶病になりました。 

 

私は、ある病気にかかり、医者に「とても難しい手術です」と言われ、死を覚悟した経験があります。

 

手術は無事成功しましたが、死を覚悟したこの経験は私を強くしたのでしょうか?

 

私は、自分の人生を大切にした方がいいことに気付いただけでした。

そして、体には傷跡が残り、体力は病気にかかる前よりも落ちています。

 

私たちは辛い経験をした際、無理矢理そのなかに"プラスの要素"を見出そうとします。

スイスの知の巨人、ロルフ・ドベリはこのことを

起死回生の誤謬(ゴビュウ)と呼んでいます。

 

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ポジティブ思考のワナ

「全ての経験には必ず良い面がある。良い面だけを考えよう」というポジティブシンキングは、どの自己啓発本にも取り上げられていますが、全てのことをポジティブに考えるとどうなるのでしょうか?

 

「上司にパワハラされた経験が自分を強くした」と考える人は、同じように後輩や部下にもパワハラをするでしょう。

 

「いじめられた経験が自分を強くした」と考える人は、子どもがいじめられていても、「耐えろ!」と突き放すでしょう。

 

「借金に悩まされた経験が自分を強くした」と考える人は、近いうちに破産を経験することでしょう。

 

現実に目を向けましょう。

パワハラを受けた人は、どれくらいの割合で以前より強くなって出世するのでしょうか?

『うつ病』や『パニック障害』『過労死』…パワハラに耐え抜くことはこれらリスクに見合っていると言えるでしょうか?

 

いじめや虐待も同じです。

どれくらいの子どもが強いメンタルを身に付け社会に出ていくのでしょうか?

『睡眠障害』『自傷・自殺』『発育障害』『不登校』『知的発達の遅れ』といった多くの問題が生じてくることは、多くの研究で証明されています。

 

危機は危機でしかなく、強化のためのプロセスではない。 危機が起きれば破滅することもあるということを私たちはすぐに忘れてしまう。

 

ロルフ・ドベリは自信の著書のなかでそう綴っています。

 

無理にプラスの要素を見出す必要などありません。

それよりも、『ポジティブシンキング』は私たちの認識を大きく歪めてしまう危険性があるということを、肝に銘じておかなければなりません。

 

個人的に気を付けていることですが…

私は、自己啓発本は読まないようにしています。

 

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わざわざ経験する必要はない

私の知り合いはこんなことを言いました。

「リーマンショックで大金を失った経験から多くのことを学んだよ。」

 

人は経験から多くのことを学びます。

しかし、彼はリーマンショックで大金を失う必要はあったのでしょうか?

 

歴史を振り返ってみれば、規模は様々ですが、10年に一度は株価暴落は起きています。

 

世界で最も成功した投資家の一人である、ウォーレン・バフェットは次のように言っています。

 

われわれが歴史から学ぶべきなのは、人々が歴史から学ばないという事実だ。 

 

私たちは実際に経験したことからは多くのことを学び取れますが、人の経験に関しては、どこか他人事のように捉えてしまいます。

 

パワハラ・いじめ・病気・事故・借金・株価大暴落…

これらのことは、わざわざ経験しなくても、本を読んだり、人から話を聞いたり、体験談をググったりすれば『教訓』を得られることができるのです。

 

人は経験から学ぼうとするが、他人の経験から学べるならそれに越したことはない。

 

経験は最良の教師ですが、自分自身の失敗から教訓を学ぼうとすると、あまりにも代償が高くつきすぎる危険性もあります。

ウォーレン・バフェットは、このことをよく理解していたようですね。

 

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結論

『不快なことが自分のためになる』というのは、間違った思い込みです。

 

困難は困難以外のなにものでもありません。

他人の経験を活かし『避けること』に尽力したほうがいいでしょう。

 

パワハラ・いじめは、解決するより逃げた方が早い。

(再就職先と勉強をどうするか?という別の問題が出てくるのですが...)

危険なことをやらなければ、事故は避けられますし、支出を見直し、貯金ができるようになれば、借金をしなくても済みます。

 

金融危機は、資産の現金比率を上げておけば、『危機』を『チャンス』に変えることができます。

 

最近はブラック企業に勤めることをポジティブに語る記事をよく目にします。

個人的な意見ですが…ブラック企業で体力気力そして時間を消費し続けるよりも、ホワイト企業に再就職することの方にそれらを消費した方がいいでしょう。

 

そしてもし、あなたが現在笑って日々を過ごせているのであれば、変な気は起こさずに、できるだけ長くそこに留まり続けましょう!

 

フォーカス投資家にはこんな格言があります。

 

上手くいっているのであれば、あれこれ試すな!

 

以上です。

社畜サラリーマンに幸あれ☆彡

 

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まとめ

●辛い経験から無理にプラスの要素を見出そうとするのはやめよう。 

●危機は危機でしかなく、強化のためのプロセスではない。『一歩間違えれば破滅してしまう』ということを忘れないようにしよう。

●ポジティブシンキングは私たちの認識を歪めてしまうこともある。自己啓発本には注意しよう。

●私たちは、他人の失敗を『他人事』のように捉えてしまう。しかし、自分自身の経験ばかりから学ぼうとすると代償はそれなりに高くつく。人の経験から多くのことを学び取ろう。

●金融危機は備えていれば絶好の投資チャンスになる。『CASH IS KING』現金を貯めておこう!

参考書籍

Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法

史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵

 

www.mixa.biz

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