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投資で『魔法の法則』を見出すのはやめましょう!
クラスター錯覚
〇✕✕✕〇✕✕✕〇✕✕〇〇〇✕〇〇✕✕〇〇
この並びは単なる偶然でしょうか?それとも意図的なものでしょうか?
私は、この並びには何か法則があると考えました。
皆さんはどうでしょうか?
心理学者のトーマス・ギロヴィッチは、数百人に対してこの質問をしました。
するとほとんどの人が、「この文字の羅列にはなんらかの法則があるに違いない」と考えました。
しかし、実際には、この並びにはなんの規則性もありませんでした。
「サイコロの目と同じようなものだ」とギロヴィッチが説明すると、多くの回答者は唖然としたそうです。
ランダムに起きる現象を見たとき、私たちの脳は、それを認めたがらず、なんらかのパターンや法則を見出そうとします。
この現象のことを心理学では、
クラスター錯覚と呼ばれています。
木目模様や、雲の形が人の顔のように見えた経験は皆さんにもあるかと思います。
これらも、クラスター錯覚に該当します。
投資におけるクラスター錯覚
私は、いろんなチャートを見比べていたある日、株の値動きには、規則性があることに気が付きました。
『NYダウが下落する数日前に、ビットコインの価格が高騰する』という法則です。
私はすぐにググり、その法則が正しいのか確認しました。
どうやら、「極秘のルートで一早く株価の値動きに関する情報を入手した中国共産党員が、資産をビットコインに移している」ということでした。
なんの証拠も無い情報でしたが、その法則に気付いた自分を天才だと思い込んでいた私にとっては、その理由で十分でした。
「高騰したビットコインを売り、下落した株を買えば、ビットコインの売買益を得た上で、安く株を買うことができる!」
それから私は、ビットコインをどんどん買い増ししていきました。
後に、私は大きな勉強料を支払うことになります…。
株価と一緒にビットコイン価格も下落したのです。
伝説的投資家のウォーレン・バフェットはビットコインについて次のように述べています。
ビットコインよりも土地を買いたい…。
私は二度と仮想通貨(暗号資産)には手を出さない!と固く誓いました。
リスク回避の円買い
リーマンショック以降『リスク回避の円買い』は、市場では常識となりました。
しかし、統計的に調べた場合、いったいどれくらいの頻度でこの現象が起こっているのでしょうか?
私の知る限り(※リーマンショック以降では)…数える程度しか起きていません。
「コインを投げて4回連続で表が出たから、今後もずっと表だろう」と言っているようなものだと私は感じています。
『なぜリスクオフ(悲観相場)時に円高になるのか?』については、ググればたくさんの記事がヒットしますし、多くの著書も出版されています。
いくつかの根拠を添えることで『円最強説』を証明しようとしています。
個人的には、十分説得力のある内容だと思います。
ですが、『円暴落説』について書かれた著書を読んでみると…
こちらも、負けずと説得力のある内容でした。
いろいろ調べてみて、私は一つの結論にたどり着きました。
『わからない』です。
無駄な時間を費やしました…。
市場の常識は、定着したあと、ある日突然崩れ去ると聞いたことがあります。
FXでの『ドル・円ショート』は…気を付けた方がいいかもしれませんね。
結論
サンプル数の少ないものから、法則性を見出そうとするのはやめましょう。
ある日突然閃いた法則に頼った投資は、恐らく早い段階で『高い勉強料』となって返ってきます!
もしあなたに、数学の得意な、信頼できる友人が居て、見たことも無いような方程式で、法則を導き出したのであれば、それは試す価値があるかもしれません。
※間違っていてもその親友を恨んではいけません!
残念ながら、私にはそんな親友はいません。
「法則なしで、市場で生き残れると思っているのか!?」と思う方もいるかと思います。
これに対しウォーレン・バフェットは、私たちにこんなアドバイスを遺しています。
ベン・グレアムとフィル・フィッシャーを読みなさい。年次報告書を読みなさい。そして、ギリシア文字の入ったような方程式を使うのはやめなさい。
ウォーレン・バフェットは、ベンジャミン・グレアムとフィル・フィッシャーの投資法を組み合わせ、勝利の法則を導き出しました。
①優良企業の株を、
②まずまずな価格で購入し、
③長く長く保有する。
以上です!
投資家の皆様の健闘を祈ります!
(`・ω・´)ゞ
※「ビットコインや円に投資していたら大儲けできたのに!」とクレームを言われても私は知りません!投資は自己責任でやりましょう!
まとめ
●私たちの脳は、パターンや法則を無意識のうちに探し出すようにできている。
●素人でも探し出せる魔法の法則の寿命は、思っているより短い。
●個人的な意見だが、ビットコインより土地を買った方が良い。
●サンプル数の少ないものから、法則を見出すのはやめよう。
●投資にギリシア文字は必要ない。年次報告書を読もう。
参考書籍