こんにちは。
経済ニュースに踊らされます…ミクサです。
今回のテーマは『なぜその株は魅力的なのか?"ハロー効果"のワナ』です。
ハロー効果は、私が株の取引をする際に、最も気を付けている心理の一つです。
今回は、そのハロー効果について考えていきたいと思います。
Contents
なぜその株は魅力的なのか?『ハロー効果』のワナ
ハロー効果
突然ですが質問です‼
皆さんは、私(ミクサ)がどれ程の資産を持っていると思いますか?
投資系ブログやってるくらいだから、数千万円の資金で運用している?
そういうイメージをもって頂けているなら、当ブログの狙い通りです(。-`ω-)
しかし、残念ながらそのイメージはまったくもって外れています。
私は小遣い制社畜サラリーマンです。
なけなしのお小遣いを何年も貯めて、なんとか作った数百万円の資金をもとに投資している貧乏人です。(家庭のお金には一切手を付けていないのだけは自慢ですが…)
意外でしたか?
このように、
一つの視点だけにとらわれて、そこから全体像を推測してしまうことを、心理学用語で
ハロー効果と言います。
私たちは、簡単に手に入る情報をもとに、その人の性格や能力といった、簡単には計り知れないことまでも、無意識的に想像してしまうのです。
私はこれまで、ハロー効果によって、窮地に追い込まれ、また、ハロー効果を利用することで、窮地を脱してきました。
詳しくは下記事参照↓
ハロー効果が作用するのは人に対してだけではありません。
商品や企業といった物にも、同じように作用するのです。
私たちは、アイドルやスポーツ選手が商品をPRすれば、その商品が優れたものであるかのように錯覚してしまいます。
評判のいい経営者が経営する会社は、素晴らしい会社に違いないと勝手に想像してしまいます。
世界でもっとも成功した投資家の一人であるウォーレン・バフェットは次のように言っています。
ある分野の第一人者…例えば、優秀なスポーツ選手や有名な芸能人が、畑違いの事柄にまで首を突っ込んで、一般大衆に身の処し方をあれこれ指南しようとする風潮に、私は強い違和感をおぼえる。我々が投資で大きな利益を上げられるからといって、世の中のあらゆる事柄に関して良い助言ができるだろうか?こんな考えは常軌を逸している。
特に投資においては、こういったものには注意しないといけないですね‼
ロス・ゲイン効果
先日、私の友達が、こんな相談をしてきました。
「ある服が欲しいんだけど、12万円もする…10万円なら買うんだけどな~交渉してみようか?」
なぜ12万円もするのか聞いてみると、「某有名バンドのボーカルが着ていたから」だそうです。
その服は、数カ月前までは、定価4万円で売られていましたが、その人が着たことで、注文が殺到、入手困難になり、オークションやメルカリで、高値で取引されるようになりました。
「どうやら彼はハロー効果のワナにハマってしまったようだ」
そう確信した私は、彼に次のようにアドバイスをしました。
「2週間待って、まだその価格が妥当だと思うなら買えばいい」
2週間後、彼に『その服が持つ、彼にとっての今の価値』を聞いてみました。
すると、「4万円だね」と即答で返ってきました。
思った通りの回答でした。
実はハロー効果には、有効期限が存在し、その期限は意外にも短命であることが証明されています。
ハロー効果は、数週間もすれば十分期限切れというわけです。
なぜ2週間で、12万円から4万円にまで、価値が低下したのか尋ねてみると…
「色が派手過ぎるし、もう着るタイミングが少なくなってきたし、勿体無くて着れないし…」
と・・・
いろいろとマイナスポイントが出てきました。
ハロー効果による期待が大きければ大きい程、ネガティブな真実が判明した際は、必要以上に幻滅されてしまう…このことを
ロス効果と言います。
『美人は3日で飽きる』という言葉がありますが…強ち嘘ではないようですね。
これとは逆に、十分にネガティブな印象を与えた後、少しでもポジティブな材料が分かると、評価が急上昇する可能性があります。このことを
ゲイン効果と言います。
容姿の良い人は最初から、必要以上に期待されている分、失敗することが許されなくなります。
逆に、そうではない人は、期待が低い分、状況を覆すのが容易になるのです。
株式投資でも同じことが言えますね。
「誰も注目してないみたいだけど…この企業、なんだか好きだな♡」
その銘柄は、将来大化けするかもしれないですね(*´ω`)
M&Aには特に注意する。
株式投資の場合、最も注意すべきハロー効果は、
M&A(企業買収)の話が出た場合です。
私たちは、大きく変化している産業に属する企業や、事業再構築中の企業に惹き付けられます。
ウォーレン・バフェットは次のように語っています。
理由はまったくわからないが、将来生まれるかもしれないことに夢中になって、目の前の現実を忘れてしまう投資家が多い。
自社を取り巻く環境が悪化した場合、企業は、M&Aにより新境地を開拓しようとすることは、もはや常套手段となっています。
しかし…投資経験がある程度ある方ならわかるかと思いますが、
投資は難しいです!
基本的に、買収は失敗すると考えておいた方が良いでしょう。
ウォーレン・バフェットの右腕であるチャーリー・マンガーは、企業買収について面白い喩えをしています。
汚物にレーズンを混ぜても、それは汚物のままである。
本業が上手く回らなくなった会社は、たとえ良い事業を取り込んだとしても、全体の業績は大して改善されないことが多いのです。
「それなら、たくさんレーズンを混ぜればいいじゃないか!?」
そう思う方も居るかと思います。
上記の喩えを、次のように言い換えるとわかり易いと思います。
"タピオカに汚物を混ぜると、全てが汚物の味になる。"
偉大な企業であっても、汚物を取り込んでしまったばかりに、窮地に追い込まれてしまう例も決して少なくありません。
汚物を取り込んでしまった場合は、洗い流さなければいけないのです!
新車の高級車のダッシュボードの上に汚物を置き、それが取り除けない場合、あなたはその高級車にいくら出せるでしょうか?
私は、タダでも要りません。
このように、企業買収の話は、リスクの方が高いのです。
最近は、ある大手家電量販店が、某有名家具屋さんを買収しましたが…
私は、その家電量販店が大好きでしたので、株を少し保有していましたが、残念ながら手放すことにしました。
ひょっとしたら、成功するかもしれません。
ですが、10%の確率で掛け金が倍になり、50%の確率で半分になる勝負に、大切な資金を投入する価値はあるのでしょうか?
『ひょっとしたら』とか『万が一』という確率で、投資はするべきではないことを私は、これまでの経験で学びました。
企業買収のニュースが出た場合は、一度冷静になり、情報を集めましょう。
自分が納得できないのであれば、その株を手放すことも、投資では重要な決断だと思います。
結論
「社畜サラリーマンの言うことなんて信用できない!」
もちろん、それで大丈夫です。
ただ…権威のある人の話も疑った方がいいでしょう。
世界にはおよそ100万人の経済専門家がいますが、2007年時点での経済予測は非常に楽観的なものだったと言われています。
2008年の金融危機を正確に予測できた人は一人も存在しなかったんですね。
ハロー効果の『ハロー』とは、あいさつのことではありません。
キリストや聖人などの頭の周りにある光輪や後光を英語で『Halo』と言うことから名付けられています。
『権威』という後光は、その人の全てを包み込み、真の特性を見えなくさせてしまいます。
人や商品、企業を評価する際は、状況をしっかりと観察し、飛びぬけて目立つ特徴には焦点を当てないようにしましょう。
人『容姿、学歴、収入』
商品『有名人が愛用している(CMに出演している)』
企業『株価(チャートの形)や四半期毎の数字』
こんなものにとらわれず、ぜひ、様々な視点から評価してほしいと思います。
それによって見えてくるものは、必ずしもいいことばかりではないでしょう。
しかし、そこから学び取れるものも、きっとたくさんあると思いますよ。
以上です。
社畜サラリーマンに幸あれ☆彡
まとめ
●私たちは、知ることが困難なことにおいても、一つの突出した情報をもとに勝手に想像し、評価してしまう。
●ハロー効果は、人だけに限らず、全てのものに作用し、私たちの認識を歪めてしまう。
●ハロー効果には有効期限がある。突然出てきた情報に直感で対処するのではなく、多くの情報を集め、精査しよう。
●経済の専門家でも、予想は外れるときの方が多い。権威のある人の言うことにも、疑いの目を向けよう。
●多くの情報をもとに評価しよう。それによって、知りたくなかったことまで知ってしまうこともあるが、そこから学び取れることもあるはずだ。
参考書籍