こんにちは。
ミスター平穏な人生こと、MIXAです。
私の今までの人生は、多少の山と谷はあったかもしれませんが、声高々に言えるようなスリル満載な体験談は全くありません。
ネットやテレビでは、波乱万丈な人生を語り、『良い人生を生きたければ、リスクを取れ』的な風潮になってきています。
私を含め、自分の人生に「味気ないなぁ」と感じている方も多いと思います。
今回の話は、「味気ない人生でいいじゃん!」という話です。
Contents
選択肢はグレーを選びまくれば大丈夫!
私達人間は、認知的閉鎖欲求といって、
本能的に白黒はっきりさせようと考えてしまう生き物です。
「人生変えたいなら、今の環境を捨て、新しい世界に飛び込もう!」なんて格好よく見えてしまうのですが、ここでの正解は基本的に、その間(グレー)です。
今の環境に足をつけたまま、新しい分野に首を突っ込むといった具合です。
ここからは、グレーな思考の使い方を、例を交えながら見ていきます。
オバマ元大統領の95%禁煙
2011年に完全禁煙に成功したオバマ元大統領ですが、彼は2008年から禁煙の努力を始めました。
「ほぼ95%禁煙できている」というオバマ元大統領の発言に対して、世間からは「なんだそれは!けしからん!」みたいな反応が返ってきたのですが…
95%も煙草を減らしているなんて素晴らしいじゃないですか?
実際、その95%禁煙を続け、最終的に完全に禁煙できているわけです。
私の周りには、『禁煙を始めたら1本も吸ってはいけない』って考えの方が多いですが、だから失敗してしまうのではないでしょうか?
そもそも、人間には現状維持バイアスといって、“生きる為”に私達の脳は現状を維持しようと考えてしまう傾向があります。
禁煙をする場合、『煙草を吸うこと』はその人にとって『生きる為に必要な行為』と脳が勝手に判断してしまっているので、なかなか意志だけでは辞められないのです。
ここでグレーな思考です。
「煙草は辞めるけど、どうしても欲しい時は吸ってもいい」みたいな軽い気持ちで始めてみるのです。吸ってしまっても、そこからまた禁煙をやり直せばいいだけです。
大切なのは、躓いてもやり続けるということ。
こうしながら、1000回くらい禁煙したら、きっと完全に禁煙できると思いますよ。
困難は『解決する』より『避ける』方がいい
皆さんは『賢明な人』と聞いてどんな人を思い浮かべるでしょうか?
豊富な知識を持っている人?体を鍛えた力持ち?諦めの悪い努力家?
私達は、このような人を優れた人と思ってしまいますが、賢明な人というのは、実はそういった人のことではありません。
『賢明さ』とは、人生で起こる困難の多くは、解決するより避けた方が早いことに気付くことです。
つまり、『賢明な人』とは、想定される困難に対して予防措置を施している人のことです。
投資家で有名なウォーレン・バフェットも次のように言っています。
私たちは、ビジネスにおける難問の解決法を見つけたわけではない。難問は避けた方がいいと気付いただけだ。
波乱万丈な人生に憧れを抱いてしまう私達ですが、自分ではどうしようもない出来事(病気や事故、会社の倒産や隕石で家が粉々になる等)が起こってしまった場合は仕方がないですが…
自分から進んで波乱万丈な人生を歩む必要は全くありません。
私達がやるべきことは、波乱万丈な人生を避けることです。
例えば、キャリアチェンジしたいと考えるときは、そのキャリアが本当に自分に適しているのか?将来的にずっとそれで食っていけるのか?なんてことはやってみないとわからないわけです。
リスクの塊ですね・・・
だから、片足だけ踏み入れて、ある程度成果を出せることがわかってから完全にキャリアチェンジする。
いつでも引き返すことができるように予防措置を施しておくことが大切です。
幸い、最近では、副業を解禁する企業が増えてきましたし、クラウドソーシング等を活用すれば、エンジニアや、イラストレーターや、ウェブライターといった仕事を個人で請け負うこともできます。
この環境を利用すれば、リスクの少ないキャリアチェンジも可能かと思います。
グレーな思考は、リスクを回避するのに役立ちます。
目の前に危険があるのであれば、大きく迂回してでも、無難に通過するのが一番です。
ウォーレン・バフェットのビジネスパートナーであるチャーリー・マンガーもこのように言っています。
目の前に危険な渦があるのがわかったら、私は6メートルどころじゃなく、200メートルは間をあけて、それを避けるね。
“君子危うきに近寄らず”ですね。
私達は、スリルと興奮に満ちた、ドラマチックな人生が、素晴らしい人生と勘違いしてしまっています。
良い人生は退屈で、味気ないものだということに気付き、その事実を受け入れることもまた、人生における、大切な考え方なのではないのでしょうか?
目標も抽象的なものに留める
「明日人生が終わると思って、今を生きよう!」
「悔いの残らないようにやりたいことは全部やろう!」
といった言葉に心を動かされる私達ですが、1日1日をその日完結型で終わらせられる出来事だけで構成された人生は本当に幸せなのでしょうか?
アメリカの研究チームはこんな調査を行いました。
17~18歳の学生に、「経済的な成功をどのくらい重視するか」という質問をし、『重要ではない』『少しは重要』『非常に重要』『不可欠』の4段階で選んでもらいました。
そして、数十年後に、その学生たちが実際に得ている“収入”と、人生に対する“幸福度”を調べました。
結果どうなったかというと、若い頃に経済的な成功をするという目標を立てていた学生の方が、収入も高く、その目標を達成した人は、人生に対する満足度も高かったということがわかりました。
一方で、経済的な成功を重要視していたにも関わらず、目標を達成できなかった学生達は、人生に大きな不満を抱えていました。
また、経済的な成功を重要視していなかった学生においては、所得の高さは人生の満足度に、ほとんど影響を与えていなかったようです。
この実験から読み取れるのは、私達の幸福度は、所得の高さに比例するものではなく、『目標を達成できたかどうか』で決まるということです。
1日1日を、やりたいことして過ごすだけでは、私達は幸せを感じることはできません。
私達が、良い人生を歩む為には、目標が必要なんです。
更に、目標を立てる際に、重要なのは、『達成可能な目標かどうか』です。
経済的な成功を目指していたにもかかわらず、成功できなかった学生達のように、いくら良い目標を掲げても、達成出来なければ、人生に大きな不満を抱えてしまいます。
では、大きな目標を掲げてはいけないのでしょうか?
決してそんなことはありません。
大きな目標を細分化し、段階的な小さな目標を作ればいいんです。
そうすれば、小さな目標をクリアする度に、幸せを得ることができます。
例えば、『1億円を貯める』という目標を掲げた場合、まずは、『家計の無駄を徹底的に削減する』『1000万円貯金する』『収入を5万円アップさせる』・・・
といった感じで、細分化していけば、段階的に目標を達成する度に、満足感も得られ、最終的に大きな目標まで辿り着くこともできます。
しかし、結局1億円を貯めるという目標を達成できそうにないことがわかってしまったら、私達はきっと、ショックを受けることでしょう。
なので、目標にもグレーな思考を取り入れましょう!
『1億円貯める』よりも、『裕福になる』くらいの抽象的な目標の方が、成功の基準も、失敗した時の失望感も曖昧になり、「少なくとも以前よりは裕福になれた」とも解釈できるので、それなりに満足感も得られるはずです。
いや、きっと私達の脳は、勝手にそう解釈し、満足感を高めてくれることでしょう。
このように、私達は、『何かを始める時』も、『人生の考え方』にも、更には『自分の目標』についてまでもに、無意識的に、白黒思考で考えてしまい勝ちです。
白黒思考は、人生におけるリスクを高めるだけでなく、新しいことに挑戦する姿勢にもブレーキを掛けてしまったり、幸福度までも低下させてしまいます。
何か決断をするときは『とりあえずグレー』と思うようにしてみるのはどうでしょうか?
様々なことが日々変化するこの時代、『こうでなければならない』なんてものはそう多くはないのですから。
まとめ
●私達は無意識的に白黒思考で物事を考えている。
●白黒思考は、私達の挑戦意欲や満足度を低下させ、更には、人生のリスクを増大させてしまう。
●グレーな思考は、固定概念を取り払うのに役立ち、私達の可能性を大きく広げてくれる。
●私達に必要なのは、『とりあえず始めること』『リスクは回避すること』『目標を持つこと』
●選択肢は極力、中間を取ろう!